ゴリラがくしゃみをしたらどうなる? 1000人の子どもが笑い、コロナ禍のストレスもふきとぶ絵本『ひっひっひくしょーん』

文芸・カルチャー

公開日:2020/9/17

ひっひっひくしょーん
『ひっひっひくしょーん』(たあ先生:作、あいはらひろゆき:文、ちゅうがんじたかむ:絵/KADOKAWA)

 鼻がムズムズして、出るとちょっと変な顔になる。子どもにとって、なんだかおもしろい存在かもしれない「くしゃみ」。ゴリラやカバがくしゃみをしたら、どうなっちゃうの?

 くしゃみを題材にした絵本『ひっひっひくしょーん』(たあ先生:作、あいはらひろゆき:文、ちゅうがんじたかむ:絵/KADOKAWA)は、全国の幼稚園・保育園1000人の子どもたちに読み聞かせをしてつくられた絵本。うちの子も喜んでくれるでしょうか。さっそく3歳息子と読んでみました。

想像がグルグル! 「どうなるだろうね?」と身を乗り出す息子

ひっひっひくしょーん

 かばさんのほうに「ぶーーーん」と飛んできたのは、イタズラ好きの“くしゃむし”くん。かばさんは「なんだろう?」といった顔でくしゃむしくんのほうを見ています。

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ひっひっひくしょーん

 お鼻にちょこんと止まったくしゃむしくん。止まられたかばさんはたまらない。「ひっひっひっ」とくしゃみが出そう…!

ひっひっひくしょーん

「ひくしょーーーん」やっぱりくしゃみが出てしまいました。イタズラされたかばさんは、お鼻の穴が大きくふくらんで戸惑い顔。くしゃむしくんは、きっと心の中で笑っていますね。

 息子は、このかばさんのページが気に入った様子。「おしり」や「おしっこ」と言ってはふざけるのが大好きな年頃なので、鼻の穴という黒くて丸いものがパカーンと大きくなるのが、たまらなくおもしろかったようです。それはもう、ベッドの上で転げ回って笑っていたほど。本当です。

 想像力も大いにかきたてられたようです。「ひっひっひっ…」とくしゃみが出そうなかばさんに、「どうなるだろうね?」と身を乗り出して本をのぞいていたと思えば、くしゃむしくんが飛んでいってしまうと今度は「どうして飛んでいったの? かばさんが好きじゃないの?」と聞いてきました。戸惑いや恥じらいを感じられる動物たちの表情は、絶妙すぎておもしろいのと同時に、笑う、驚く、といったわかりやすい感情だけではない、繊細な気持ちの変化についても教えてあげられそうです。

 別ページでは、ごりらさんのくしゃみにも大注目。「これ、ゴリラだよね(笑)」と思えるようなとんでもない姿になっています! かわいらしいだけでなく、動物たちの特徴が描かれているので、「ゴリラには毛がびっしりと生えていて…」などと話を広げやすく、親子のコミュニケーションをとりやすいのもありがたいです。

コロナ禍のストレスもふきとぶ!

 シンプルな絵本なので、読み聞かせ方を工夫すればするほど楽しくなりそう。まず、ひっひっひっ…とくしゃみをしっかりためることを忘れずに。そして、本書を読んだママや保育士から届いた「動物ごとに声色を変えながら読む」「『○○ちゃんにくしゃむしくんがブーーン』といって体にふれる」「パパにおもしろく読んでもらう」などの声も参考にしたいですね。

「読み聞かせするよー」と伝えると、真っ先にこの本を手にとる息子。お気に入りの本は他にもたくさんあるけれど、とにかくわかりやすくて楽しいところが好きなのだと思います。生意気ばかりでイラッとすることも多々ありますが、親子で笑いあう時間はとりあえずしあわせ。子どものメンタルが落ち着きそうだし、親のストレスもふっとびました。親子でキャッキャッと楽しみたい人におすすめです!

文=麻布たぬ