非常食で絶品パスタ!?「いつも」の食事を「もしも」の食事にする防災レシピ

暮らし

更新日:2020/9/30

備えいらずの防災レシピ
『備えいらずの防災レシピ』(飯田和子/東京法令出版)

 災害は、日常の延長線で突然発生する。それにどう備えれば良いのか。特に不安に思うのが、食事への備えだ。非常時の食事というと、「3日分の食糧を備蓄しておくこと」というが、本当にそれだけで足りるのだろうか。それに、非常時だからある程度は仕方がないとはいえ、インスタント食品や災害食ばかりを食べても、力が入らない気がする。非常時でも普段から食べている食事に近いものを食べられたら、心にゆとりが持てそうな気がするのだが、そんな思いを抱くのは、贅沢なのだろうか。

『備えいらずの防災レシピ』(飯田和子/東京法令出版)は、「いつも」の食事を「もしも」の食事にする方法を教えてくれる一冊。この本では、主食、副菜、主菜、汁物、スイーツなど35品のレシピを紹介している。使う食材は、身近なものばかり。電気・水道・ガスなどのライフラインが使えなくても、カセットコンロと高温に耐えられる高密度ポリエチレン製ポリ袋があれば、工夫次第で、非常時でもいつもの食事を作ることができるという。

 実際に家にある食材を使って、2つのレシピを試してみた。

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絶品! お豆がたっぷりトマトソースパスタ

「非常食」というと、味気ないものをイメージしがちだが、湯せんを活用すれば、パスタを食べることも可能だという。

 まず、パスタ50gを半分に折ってポリ袋に入れ、水100mlを加えて30分置いておく。次にトマトジュース300mlを加え、空気を抜きながら口を閉じる。そして、鍋で湯を沸かし、沸騰してきたら、そのポリ袋を蒸し布で包んで入れ、温せんする。

 蒸し布は蒸し料理をする時に鍋に敷いて使うのが一般的だが、温せんする際に使用すると、ポリ袋が鍋底に直接あたって熱で破けることを防げるし、水切れも早いのだそうだ。温せん時間はパスタの袋の表示時間を目安にすると良い。トマトジュースが手元にない時は、トマトの水煮缶や野菜ジュースで代用も可能だ。

 パスタが茹で上がったら、菜箸やトングで蒸し布ごとすくい上げる。そこに蒸し大豆やなめ茸などを入れ、ちぎった海苔や粉チーズなど、家にあるもので味を調えれば、完成。カンタンに美味しく華やかな非常食が作れてしまった。

備えいらずの防災レシピ

●懐かしの味わい!カンタンきな粉玉

 非常時でも、甘いものを食べたい。そんな時には、きな粉玉を作ってみると良いかもしれない。ポリ袋にきな粉60g、はちみつ大さじ2〜3を入れて色が変わるまで練り、棒状にしていく。1歳未満の乳児は、はちみつを食べられないため、水あめなどで代用すると良いだろう。

 ポリ袋の上から、スケッパーで食べやすい大きさに切り、切り終えたら、きな粉大さじ1を加えて、振れば完成。火を使わないし、子どもでも作れるくらいカンタン。材料を練るだけでどこか懐かしい味わいのするおやつを作ることができた。

備えいらずの防災レシピ

 この本に載っているレシピは、非常時だけではなく、普段でも作ってみたいものばかり。普段から作り慣れていれば、非常時でも困ることはないだろう。食べることは生きるために不可欠なこと。この本をもとに、日常でも非常時でも楽しめる料理を学んでみてはどうだろうか。

文=アサトーミナミ