「すべての人と仲良くしなくてもよい」他者とのちょうどいい距離を見つけるコツ

暮らし

公開日:2021/3/18

ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。 寂しくなくて疲れない、あなたと私の適当に近い距離
『ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。 寂しくなくて疲れない、あなたと私の適当に近い距離』(ダンシングスネイル:著、生田美保:翻訳/CCCメディアハウス)

 人は、ひとりで生きていくことはできない。そんなことは百も承知だが、ときどき人と関わることにしんどさを感じ、距離を取りたくなる。だからといってすべての人間関係を断とうとは思わない。孤独を感じるのが怖いから。

 僕はしばしば、こんな気持ちになることがある。ただその気持ちを行動に移すとなると難しい。塩梅がわからないのだ。そんなとき見つけたのが、書籍『ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。 寂しくなくて疲れない、あなたと私の適当に近い距離』(ダンシングスネイル:著、生田美保:翻訳/CCCメディアハウス)だ。本書には、人とのちょうど良い距離を主体的に見つける方法が、著者の経験談とともに具体的に書かれている。人間関係における疲れも寂しさも味わいたくない人への指南書としておすすめだ。

■もう誰にでもいい人であり続ける必要はない

 本書の著者・ダンシングスネイルさんが、ちょうど良い距離を見つける上で大切にしていること、それは「自分を犠牲にせず、心の声に最大限耳を傾け、尊重すること」だ。

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 たとえば、第二章「全員と仲良くしなくても大丈夫」では、自身の心を犠牲にしやすい「誰にでもいい人であり続けること」の是非について触れている。どんなに心がタフな人でも、誰にでもいい人であり続けるのは疲れるし、ストレスも溜まるものだ。しかし、嫌われたくない思いが強いゆえに、どうしてもそれがやめられない人がいるのも事実。ダンシングスネイルさんは、そんな人について、このような考えをつづっている。

“私たちは誰に対してもいい人でいる必要がないだけでなく、すべての人と仲良くしなくてもよい(生計を維持するための最小限のビジネス関係は除く)。イヤな人は心の中で静かに嫌って、徐々に離れても構わない。友達が多ければどうで少なかったからどうだというのだ。各自の性格と価値観に合った関係を築いていけばよい”

“誰にとってもいい人になろうとするより、自分ひとり満足させられるだけでも充分に立派であることを知っておこう”

 ここで疑問となるのは、どうやってイヤな人とそうでない人を線引きするかだ。明確に線引きができないと、距離を取るかどうかの判断も曖昧になってしまうだろう。ダンシングスネイルさんが提唱する線引きの方法はこうだ。

“本当に好きなのかよくわからないとき、自分の心を知る最も確かな方法は、相手の小さな提案が面倒くさいかどうか「面倒くさがり測定器」を心に当ててじっと耳を傾けてみること”

 もしその対象者と一緒に過ごすことが面倒に感じたり、それを考えること自体が億劫になったりした場合、その人は自分にとって距離を取った方がいい人になるという。

 他にも、作中では「パーソナルスペースを侵す人問題」「孤独を感じないようにするための考え方」「恋人との適度な距離」といった、人間関係における悩みや問題に焦点を当て、それらの対処方法にも触れている。

 きっと、タイトルをみて「なんてわがままな考えだ」と思う人もいるだろう。ただストレスを甘く見てはいけない。こと人間関係のそれにおいては、抱え込みすぎることで予想だにしない悪影響を心身に及ぼすことがあるからだ。

 もしいま、友人や恋人との距離に疲れやストレスを感じているなら、自分の心に耳を傾け、関係のデトックスを試みるべきなのかもしれない。きっと人とのちょうど良い距離が見つかるはずだ。

文=トヤカン

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