世界が認めたダンサーRIEHATA。逆境をモチベーションに成功を重ねてきたサバイブ術とは?

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公開日:2021/5/4

 BTSやEXILEの振付師として注目され、世界的アーティストであるクリス・ブラウンからの信頼も厚い稀代のダンサーRIEHATA。

 現在30歳にして2人の息子を育てるシングルマザーであり、そのライフスタイルやファッションも人気の高い彼女が、初めての著書『逆境モチベQUEEN ダンスで世界を変えた人生サバイブ術』(KADOKAWA)の中で、人生に訪れたさまざまな逆境と、それを乗り越えて得てきた人生哲学について語っている。

逆境モチベQUEEN
『逆境モチベQUEEN ダンスで世界を変えた人生サバイブ術』(RIEHATA/KADOKAWA)

 キッズダンサーとして早くから頭角を現していたRIEHATAは、中学を卒業した後、高校へは進学しないでダンスの勉強をすると決断。アルバイトでお金を貯めてはLAへ行き、従兄の家にホームステイしながら、何とかして本場のダンスを学びたいと模索し、自ら道を切り開いていった。それは、徹底的に孤独と向き合う闘いの日々でもあった。

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 もし何の苦労もなく、毎週好きなだけダンススタジオのレッスンに出られる環境だったら、ひょっとしたら私はそんなにダンスが上達しなかったかもしれないと、今になって思います。カリフォルニアの田舎にいて、レッスンに出たくてもなかなか行けなかったからこそ、自分で方法を見出し、自分なりのトレーニングを続けることができた。それが、誰にもまねできないRIEHATAのダンススタイルにつながったのだと確信しています。

 何もできない状況から何ができるかを考え、マイナスをどうやってプラスにするか、一つ一つ見つけながら実現していく。逆境を力にしていたあのころの経験は、今も私を支えてくれています。

逆境モチベQUEEN

 レディー・ガガが来日した際、バックダンサーとしてテレビ出演したことをきっかけに、多くの有名ダンススタジオからインストラクターの声がかかり、国内のみならずアメリカやヨーロッパ、アジアの各国を飛び回るようになる。ところが、歌手AIの全国ツアーでダンサーとしてステージに立っていたとき、左ひざの前十字靭帯断裂という大ケガをしてしまった。

 その後、第2子の出産を経て、ひざを手術。壮絶なリハビリで復帰した後、再び世界中が注目したのは、クリス・ブラウンのMV出演だった。以来、K-POPからの振付オファーが殺到し、初めてBTSの振付をした曲は全米で大ヒットする。国内でもEXILEをはじめ、三代目JSB、GENERATIONSなどLDHのほとんどのアーティストとタッグを組むほか、話題のDリーグではavexロイヤルブラッツのディレクターも務め、多忙な日々を過ごしている。

 クリス・ブラウンのMVの撮影を終えて帰国すると、「RIEHATAがクリス・ブラウンのMVに出た」と一気に世界中に広がって、SNSのフォロワーも急増。ハリウッド女優やモデル、NBA選手など、ダンス界以外の人からも注目されるようになったんです。「クリス・ブラウンに一番近いアジア人」と一目置かれて、韓国での仕事が急に増えたのもこのころです。

 クリス・ブラウンからは、「君には、ほかでは見たことのないエナジーを感じる」って言われます。インスタにも、「この子が今一番ヤバい。世の男の子女の子たち、もっとがんばれ!」と紹介してくれるんです。

 彼には本当に感謝しています。これからも期待を裏切らないよう、私も日々進化し、一つ一つの仕事を誠心誠意がんばらなければと思っています。

逆境モチベQUEEN

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 人間って、追い込まれて絶対無理だというときほど、不思議な力がわいてくるもの。「絶対できる」という決意と根拠のない自信を持てば、運が味方してくれるのか、信じられないような底力を発揮できるんです。

 もし1日しか時間がなくても、そこに1年分くらいのエネルギーを注ぎます。できるかどうかは、自分自身のモチベーション次第。ここ何年か、大変な日々を過ごす中で、モチベーションの上げ方もすごく学びました。だから、もうこれ以上はがんばれない、あきらめるしかないというレベルを超えることができるようになったんだと思います。それはもう、宇宙からの贈り物としか思えませんね(笑)。

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文=川島敦子