マンガで学ぶお金の話。「このままでは老後がヤバい!」とお悩みのフリーランス・自営業者のための読本

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公開日:2021/8/22

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『アラフィフマンガ家が慌ててFPの先生に聞いた フリーランス・自営業者のための知っておきたいお金と老後』(あべかよこ:漫画、前田信弘:解説/日本能率協会マネジメントセンター)

 現在、人々の心配ごとはコロナが中心なのだが、コロナが流行する前からあって、現在人によってはさらに懸念事項となっているお金の問題。例の「老後資金2000万円問題」もそのひとつだ。まあ本当に2000万円が必要なのかはともかく、老後を安心して暮らせるかどうかは、働き盛りの世代にとって重要な関心事だろう。特に収入が不安定になりがちな「フリーランス」の立場であれば、なおさらだ。とはいえ、何をどう備えればいいのか。『アラフィフマンガ家が慌ててFPの先生に聞いた フリーランス・自営業者のための知っておきたいお金と老後』(あべかよこ:漫画、前田信弘:解説/日本能率協会マネジメントセンター)は、今からできる老後への備えをいろいろと提案してくれる。

 本書では漫画家のあべかよこ氏がFP(ファイナンシャル・プランナー)からさまざまなアドバイスを受けつつ、老後に備えた資金繰りを学んでいく。もちろんフリーランスに限らず、会社員であっても役立つであろう知識が満載だ。ではまず何をすればよいのか、簡単に紹介していこう。

自分の現状を知ろう

 老後資金を蓄えるにしても、自身の現状を知らなければ話にならない。まずは自分の「資産」がどれくらいあるのか確認しよう。現在の年間収入から支出を引いて、どのくらいの貯蓄ができているかをチェック。もし赤字であるなら、自分の生活に支出が見合っていないということだ。また不動産や株などの有価証券といった資産がどのくらいあるか、車のローンなどの借入れはどのくらいなのか、しっかりと把握しておくことが大事なのである。

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自分のライフプランを考えよう

 ライフプランとは、将来こうなりたいという「人生の設計図」のこと。何歳までに結婚したいとか、いつ頃までに家を持ちたいとか、そういうことである。希望によってそれに掛かる資金も変わってくるので、ライフプランが具体的であればあるほど将来を見据えた計画が立てやすいといえる。例えば「人生の三大資金」と呼ばれるものがある。それは「教育資金」「住宅資金」「老後資金」の3つだ。もちろん子供がいるかどうかや、自宅の有無などで必要度合いも変わってくるが、要は自身の現状から希望の未来を設計し、それに必要な資金を計算しようということなのである。

どうやってお金を増やすか

 フリーランスには定年がないので、働こうと思えばいつまでも働ける。もちろんそれで生活が成り立つなら問題ないが、やはりいざというときのために蓄えには余裕が欲しい。そういうときに考えたいのが「お金の運用」だ。簡単にいえば、一定の金額を元手にして、資産が増えるように用いるということ。運用方法には主に「貯蓄」と「投資」がある。「貯蓄」は普通預金(貯金)や定額預金などがそれにあたり、大きくは増えないが元本が保障されているので安全。「投資」は株式や投資信託といった金融商品を購入するなどして、元本の成長や配当に期待する方法。うまくいけば利幅は大きいが、損失が出て元本割れのリスクがあることも理解しておこう。詳細に関しては本書を参照していただきたい。

 コロナ禍の現在、まさに一寸先が見通せないのだから、少しでも先々に備えておきたいと考える人は増えただろう。だからこそ自身の現状を今一度、しっかりと見直してみるべきなのだ。「どうしていいか分からない」とお悩みの人は、ぜひ本書を参考にしていただきたいものである。

文=木谷誠

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