もはや慣れ過ぎてサボりがち…。「セルフマネジメント」などのスキルを身につけ、テレワークをレベルアップしよう

ビジネス

更新日:2022/3/7

どこでも成果を出す技術
『どこでも成果を出す技術~テレワーク&オフィスワークでなめらかに仕事をするための8スキル』(沢渡あまね/技術評論社)

 コロナ禍で浸透したテレワーク。自粛生活を求められた当初は、通勤電車に乗らないため移動する手間もなく、自由なペースで働けると期待されていた。しかし、今となってはどうか。人間とは刺激に慣れるもので、周りに人がいない環境で自分を律するのはなかなか難しく、「今日もサボってしまった……」と後悔する声も多く聞かれるようになった。

 変異株が相次いで発生しているなかでは、今後もしばらく自粛を前提とした生活が続くと予想されている。そこで、いま一度確かめておきたいのがテレワークの心構えだ。ウィズコロナ時代の働き方についても言及した書籍『どこでも成果を出す技術~テレワーク&オフィスワークでなめらかに仕事をするための8スキル』(沢渡あまね/技術評論社)をたよりに、テレワーク環境改善のヒントを伝えていきたい。

 紹介されている8つのスキルのうちの1つ「セルフマネジメント」を紹介する。

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余裕も考慮して作業時間を見積もるのがコツ

 自宅にはさまざまな誘惑がある。テレワーク中、スマホやゲームのコントローラーを持ち、寝室のベッドなどについ身をゆだねてしまった経験は誰しもあるだろう。もちろん、息抜きは大切だ。しかし、それで仕事が進まないのは本末転倒である。

 適度に仕事を進めて、適度に休むのは理想。メリハリを付けるには、あらかじめ「作業時間」を見積もっておくのが大切とか。

 テレワークでの仕事を割り振られたら、初めに「既知か、未知か」を判断しよう。経験ある「既知」の仕事もしくは過去の経験を応用できる仕事であれば、おおよその所要時間も把握できるはず。経験のない「未知」の仕事であれば、みずから考えて調べ、場合によっては、先輩や上司など周囲の意見をあおぐのも必要となる。

 また、作業時間を見積もるときは「バッファ(余裕時間)」を設けておくのも肝心。空白の時間も考慮しておくと「業務変更や追加のリスク、やり直しのリスク、体調不良による業務ストップのリスクなど」に備えられる。例えば、一つの作業に対して「3時間」と見積もれるなら、計画上では「3時間30分」など余裕を持った時間を割り当てておく。

 日常的な業務もどの作業にどれほどの時間を費やしたのか記録しておけば、のちのちの計画づくりで役立つ。

モチベーションを上げるための“スイッチ”を見つける

 仕事の計画を完璧に作れた。しかし、どうにもモチベーションが上がらない……。これもよく聞く話で、テレワークへ臨むなかで、時間配分以上に頭を悩ませる問題だ。

 気持ちが乗らないときは「何も考えずに淡々とこなせるような流れ作業を片づける」というのも一つの方法。また、あらかじめ決めた計画があるとは言え、無理に自分を追い込むことなく、ときには「自分自身のモチベーションに合わせ、タスクを臨機応変に入れ替える」など、柔軟に対応するのも仕事のコツだ。

 自分の中で「これをやればモチベーションが上がる、リフレッシュできる」と思えるような“スイッチ”を設けておくのもいい。集中できないときは「10分ほど昼寝する」、頭が働かなくなってきたら「大好きなアイスを食べて、頭を活性化させる」といったリフレッシュ方法を見つけておくのも大切だ。

 この「セルフマネジメント」のほか、離れた相手と効率的にコミュニケーションを取るスキル「ロジカルコミュニケーション」や、信頼し合えるチームを作るスキル「チームビルディング」などが紹介されている。働き方改革の象徴でもあるテレワーク。なんとなく慣れてきたつもりではいても、やはりさまざまな弊害や不満を抱えているという人は多いはずだ。本書も参考に、改めて環境や仕事の仕方、ツールなどを見直してみてはいかがだろうか。

文=カネコシュウヘイ

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