宇宙を飛び回るゴミ拾い屋の活躍を描く、オンリーワンコミック!

公開日:2012/11/7

プラネテス (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:幸村誠 価格:540円

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遠目からみると美しい流れ星。その正体とは? その答えである「宇宙ゴミ(スペース・デブリ)」が本作のテーマ。スペース・デブリとは、宇宙開発の途上で発生するゴミであり、廃棄された人工衛星や切り離されたロケットの部品など、地球の衛星軌道上に漂う人工物のこと。プラネテスはアニメ化もされており、デブリとなった「平和記念の宇宙プレート」を地球に落として流れ星を作る、という第1話の流れはまさしく感動のひとこと。原作マンガ・アニメともに歴史あるSF賞「星雲賞」を受賞していることに、大いに納得できる作品です。

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2070年代の仮想未来、人類が宇宙に飛び出した世界が舞台。スペース・デブリを回収する会社員、星野八郎太(愛称・ハチマキ)と宇宙、そして周囲の人間との繋がりが描かれています。おもしろさは、なんといっても作者の目の付け所。主人公をデブリ回収屋にしたのが本当に凄い。なぜなら、本作が描かれた1999年、一般的な人々はまだスペース・デブリの存在すら知らなかった時代です。現在でも進行形で進むこの問題をいち早く取り上げ、マンガの題材にしたという点で、他のSFとは違う持ち味があります。月に開発基地ができ、重力発生装置のついた船内などで生活もできる世界。人間が宇宙に行くのが当たり前になりつつも、そこでは、いったいどんな問題が起きているのか? そんな視点からストーリーが丁寧に構築され、重厚な現実味も持たせてくれます。

簡単にまとめると…
1話……スペース・デブリを放置するとどんな事故が起きるのか
2話……地球を飛び出した人間に対する宇宙の洗礼。宇宙に対して人はどう対峙するのか
3話……宇宙開発に反対するテロリストの暗躍。それを蹴散らすのはなんと宇宙喫煙者の鬱憤(笑)
4話……地球と宇宙の境目について、少々哲学嗜好あり
5話……宇宙空間で起こりえる事故と恐怖、その克服

話の度に、なるほど! こういう視点があるのかと納得しながら、SF知識がない私でもすっと入っていけました。SFが好きな人にもまだ読んでいない人にも、自信を持ってオススメします。一度開いたら、続きが読みたくなることうけあいです!


事故で放射線嵐の中に取り残されたハチマキの悪運の強さといったら。仲間も思わずボーゼン

卵くらいの大きさでこの被害。スペース・デブリは怖すぎる…

微小のデブリ群が仲間に直撃! 仲間の運命やいかに

「これで俺もおまえの一部…に…」宇宙開発の黎明期を駆け抜けた老人の死に際。宇宙への執着心にぞくり
(C)幸村誠/講談社