ビジネス文章は3つのポイントで読み解け! 社会人1年目で学ぶ文章の秘訣

ビジネス

公開日:2022/5/8

社会人1年目からの読む・書く・考える・伝える技術
社会人1年目からの読む・書く・考える・伝える技術』(木山泰嗣/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 5月に入り、新入社員の方々も新人研修を終えて、業務に関わる頃ではないでしょうか。どんな仕事でも欠かせないと言われているのがホウレンソウ(報告連絡相談)。でも、メール連絡、報告書の作成、議事録の記録、資料の整理や作成など、学生時代にはない作業の連続に戸惑ってはいませんか?

社会人1年目からの読む・書く・考える・伝える技術』(木山泰嗣/ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、弁護士を経て青山学院大学で法学教授として勤務する著者が、社会人として求められる「書く」「読む」「考える」「伝える」技術について、1年目の新入社員の誰もが思い悩む課題に具体例をあげて解説しています。

 いかに効率的に読み、いかに論理的に考え、いかに効果的に伝えるか。これらは仕事に慣れるための基本的な技術です。普段、読解力や国語力に不安を感じている方でも大丈夫。ビジネス文章は小説や小論文とは違い、極めてシンプルなもの。取り組み方を押さえれば誰でも身につくスキルだと本書では紹介しています。

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メール文章を読む3つのポイント

 職場で必ずあるのがメール連絡。メール文章で注目すべきは、以下の3つのポイントです。

1、理解してもらいたい文章
 どのような作業や問題があり、どのように考えてほしいのかという説明。

2、行動してもらいたい文章
 何をしてほしいのか、何時までにすればいいのか、必須なのか任意なのかという依頼。

3、遵守してもらいたい文章
 作業をする上で守らなければならない条件。

 こうした要素に分けて読み解くと押さえておくべきポイントが整理され、作業の完成像が具体的になり、勘違いや作業ミスも防げます。また、自分がメールを返信するときにもこのポイントを押さえれば具体的な報告書が作成できます。

ビジネス文書を書く3つのポイント

 報告書や資料など、ビジネス文書を書く基本となるのが次の3つのポイントだといいます。

1、ビジネス文書は正しく簡潔に
 文法が正しいのは前提として、短く簡潔である。例えば「文章を書くということは」という文は、「文章とは」でも意味が通じます。

2、ビジネス文書に個性はいらない
 ビジネス文書には決まった形式があるのがほとんどです。誰が書いても同じ文章になるのが理想です。

3、何度も読み返して推敲する
 書くことが苦手な人の多くは推敲を怠っています。何度も見直しを行い、誤字脱字を修正しましょう。

 人は、話すことは得意だが書くことが苦手という人、逆に書くことは得意だが話すことが苦手という人の両極端に分かれるといいます。話すことは「一発勝負」。これまで「一発勝負」で乗り切ってきた人は、文章も「一発勝負」で乗り越えようとして苦手意識を持っている可能性があると指摘します。

 会議や打ち合わせなどでは新入社員のうちは意見を求められることは少ないかと思いますが、考えをまとめ、わかりやすく話す技術についても解説しています。口下手な自覚のある人は、早めに対策を打っておくに越したことはありません。

 その他にも、ニュースや新聞から業界の情報を効率よく得る方法、相手の気持ちを察する方法、失敗から立ち直るメンタルの作り方……職場でのコミュニケーションを円滑に行うヒントが掲載されています。社会人1年目でこれらの技術を習得しておくことは、これからの皆さんの長い社会人生活の大きな糧となるでしょう。

 新入社員だからといって、いつまでも頼りにならないままでは、自分だってつまらない。そして周囲はあなたの成長を期待しています。分からないことは先人の知恵を借りていく気持ちで、知識をうまく活かしながら頑張っていきましょう。

文=愛咲優詩

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