『この英語、どう違う?』「wish」と「hope」/【連載第2回】

生活

2019/4/28

『この英語、どう違う?』(ルーク・タニクリフ/KADOKAWA)は、日本人が間違いやすい、似た意味を持つ2つの英単語の違いを分かりやすく解説した1冊です。どれも日本人になじみ深い単語なので、しばらく英語から離れていた人でも楽しく読めることうけあい。ここで、本書で紹介している英単語を10組ピックアップして紹介します。第2回は「wish」と「hope」の違いです。

wish vs. hope ――「望む」を表すことば

 まず、以下の英文を読んでください。

①I wish I could be a billionaire.

②I hope to be a billionaire.

 日本語に訳すと同じように見えてしまいますが、実は、①と②ではニュアンスがだいぶ違います。①は「億万長者になれればいいな」と思っていますが、実際にはその可能性はなく、ただ漠然と夢のように考えています。②では、実際に億万長者になる可能性があり、そのために努力しているといったニュアンスが含まれています。

 上の例からわかるように、wishは不可能なことに対して使います。たとえば、人間には羽がないので、空を飛びたくても自力では飛べませんね。

My friend wishes that she could fly.
(友人は空を飛びたいと思っている)

I wish you had come to Hawaii with me.
(あなたも一緒にハワイに来てくれればよかったのにな)

 ハワイに行くのは不可能ではないのに、なぜ上の文でwishを使っているか、わかりますか? had comeの部分を見てください。ここから、過去の話だとわかります。過去のことですから、どんなに来てほしいと思ってもそれは不可能です。このように、後悔の気持ちを表す場合にはwishが役立ちます。

 それでは、飛行機でハワイに行った友人が無事に着いたかどうかまだわからない場合に、「無事に着いているといいな」と言うなら、hopeとwishのどちらを使うのがよいでしょう。

 この場合は、無事に着いている可能性もあるので、hopeを使います。

I hope that she has arrived in Hawaii safely.
(彼女が無事にハワイに着いているといいな)

 wishを使ってしまうと、「事故に遭った(=無事に着いていない)」という意味になってしまうので、注意してください。

I wish that she had arrived in Hawaii safely.
(彼女が無事にハワイに着いてくれればよかったのに)

まとめ

 wishは「実現の可能性が(ほとんど)ない」とき、hopeは「実現の可能性がある」ときに使う。

第3回に続く

【著者プロフィール】
ルーク・タニクリフ(Luke Tunnicliffe)

1982年イギリス生まれ。イギリス人の父とアメリカ人の母を持つ。13歳までイギリスで暮らし、その後アメリカのノースカロライナ州の高校に転校、イギリス英語とアメリカ英語の違いを経験。Wesleyan Universityを卒業後、雑誌編集者/記者の仕事を経て、2005年、JETプログラムで来日。新潟の中学校で2年間英語教師をつとめ、その間に日本語を学ぶ。2008年に再来日。英会話講師とビジネス翻訳の仕事をしつつ、東京大学大学院にて翻訳論を学ぶ。
2010年に開設した自身のホームページ「英語 with Luke」は開設直後からコアな英語学習者の間で話題となる。「元気ですか?を意味する20のフレーズ」「ハーフは英語で何というか」「セミコロンの使い方」といった、初心者から上級者までレベルを問わず楽しめる記事でまたたく間に人気を博し、月間150万PVを記録する破格の人気サイトとなっている。
英語 with Luke:https://www.eigowithluke.com/
Twitter:@eigowithluke