「黄色い」と言うのに「緑色い」と言わない理由は? /日本人の9割が知らずに使っている日本語⑥

文芸・カルチャー

公開日:2020/2/12

ウソをつくなというとき、なぜ「ウソいえ!」と反対にいうの?
…外国人にそう聞かれたら、日本人としてきちんと答えられますか。いわれてみると確かに疑問だらけの「いつもの日本語」を再発見してみましょう!
雑学・豆知識としても役立つトピックを『日本人の9割が知らずに使っている日本語』(岩田亮子/青春出版社)から紹介します。

「赤い」「青い」とは言うけど「緑い」「水色い」とは言わないのはなぜ?


 現在、日本語で表現できる色の数は、どれくらいあるのでしょうか。すぐに思いつくのは、赤、青、黄色などでしょう。日本工業規格では、じつに269色の色名が規定されていますが、一説には、日本語で表現できる色の数は500以上とも1000以上ともいわれています。

 現在では、こんなにも多くの色名があるのですが、もともと日本語には「赤」、「青」、「白」、「黒」しか色の名前がなかったそうです。そして、この4色に「黄色」と「茶色」の2色を合わせた6色が、古くから日本語で使われていた伝統的な色名とされています。

 さて、これら伝統的な6色は、いずれも「色名+い」で形容詞となり、モノの色を表現できます。「赤い」、「青い」、「白い」、「黒い」、そして、「黄色い」と「茶色い」です。

 じつは、この6色以外の色、例えば「緑」や「水色」などは、「い」を付けて「緑い」や「水色い」と表現することはできません。つまり、「色名+い」が使えるのは、「たった6色しかない」のです。

 色の表現は、日常生活でも仕事でもよく使います。色の表現に悩む外国人の生徒さんは、「ドンナ ルール デスカ?」と聞いてきます。そこで、まずは、「色名+い」が使えるのは「たった6色」ということを説明します。そして、さらに細分化して「〇+い」は「赤、青、白、黒の4色に使い」、「〇色+い」は「黄色と茶色の2色に使う」ことを理解してもらいます。

 それでは、その他の色の場合は、どう表現したらいいのでしょうか。残りの色は、まとめて「〇色+の」で表現します。「緑」の場合は、「緑色のカーテン」といった表現、水色の場合は「水色のパラソル」といった表現になります。

 ただし、「赤」や「青」、「黄色」でも、「赤色のマフラー」や「青色の手袋」、「黄色のシャツ」など「〇色+の」という表現で使うこともあります。例外はあるのです。




【次回に続く】