知ってた? 「お帰りなさい」は「帰れ!」という命令形じゃない /日本人の9割が知らずに使っている日本語⑨

文芸・カルチャー

2020/2/18

ウソをつくなというとき、なぜ「ウソいえ!」と反対にいうの?
…外国人にそう聞かれたら、日本人としてきちんと答えられますか。いわれてみると確かに疑問だらけの「いつもの日本語」を再発見してみましょう!
雑学・豆知識としても役立つトピックを『日本人の9割が知らずに使っている日本語』(岩田亮子/青春出版社)から紹介します。

「お帰りなさい」って言うけど「帰れ!」って命令していることになるのでは?


「お帰りなさい」は、外出から帰ってきた人を迎えるときの挨拶の言葉です。「お帰りなさい」の「なさい」を、「~しなさい」のように命令形と考えてしまうと、帰ってきたばかりの人に「なんで、また『帰れ!』と命令するの?」と疑問に思えてしまいます。外国人の生徒さんからも「ナゼ、命令 スルノデスカ?」と聞かれることがよくあります。

「お帰りなさい」の「なさい」は、次項で説明する「おやすみなさい」のような「~する」「~なす」の尊敬語「なさる」の命令形ではありません。もともとは、「よくご無事に、お帰りなさいました」のような言い方をしていましたが、それが省略されて「お帰りなさい」になったとされています。

 さらに、「お帰りなさい」の、より丁寧な言い方として「お帰りなさいませ」があります。国語辞典によると「お帰りなさい」を命令形と混同し、それに丁寧な表現の「~ます」の命令形「ませ」を付け、より丁寧な命令の意味合いを強めたのが「お帰りなさいませ」になったとされています。いわば、「お帰りなさい」を命令形として勘違いした使い方が定着してしまったと考えることができそうです。

 さて、「お帰りなさい」と対(つい)になる言葉が、「ただいま」です。これは「ただいま、戻りました」と帰ってきたときに使われていた挨拶の言葉が省略され、「ただいま」となりました。つまり、現在、日常的に使われている「ただいま」と「お帰りなさい」という挨拶は、いずれも「ただいま、戻りました」や「よくお帰りなさいました」という言葉が省略され、使われるようになった挨拶なのです。




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