地震発生! そのとき電車やバスのなかにいたら…地下鉄では〇〇車両に移動する/『そのとき、どうする?』③

暮らし

更新日:2020/8/31

大地震、風水害といった自然災害が多発する昨今――。近い将来、必ずあなたの身にも起こります。有事のシチュエーション別に、命を守る「知識」と「とっさの行動」を解説。災害大国で生き抜くための必読本!!

『そのとき、どうする?~ただちに命を守るとっさの行動マニュアル』(甘中繁雄/大和書房)

【地震】電車やバスの中にいたら

地震が起こると、安全確認に時間がかかり、復旧までの間、駅は大混乱に陥ってしまうことも。大勢の人が押し寄せて起こる「群衆なだれ」はとても危険。駅に滞留(たいりゅう)しないこと。

人の重みは凶器になる。倒れないようにつり革を

 電車やバスに乗車中に大地震が発生すると、危険回避のため急ブレーキがかかります。人の重みが多数かかると凶器になることも。スマホから緊急地震速報が聞こえたら、立っている場合は、転倒しないよう手すりやつり革をしっかり握って踏ん張ること。座っている場合は、バッグなどで頭を守り、姿勢を低くします。避難は揺れがおさまってから。勝手に線路に降りると、高圧電流により感電する恐れがあります。

駅のホームだったら低い姿勢で体を安定させる

 耐震工事が進んでいる駅は多くあるので、駅自体が倒壊する可能性は低いのですが、案内板のパネルや天井などが落下することはあります。大阪府北部地震でも、数キログラム以上の駅名板や電光掲示板の落下が確認されています。もしこれが頭に当たれば大ケガ、もしくは命を落としかねません。駅構内にいたら、ベンチにつかまって低い姿勢になり、体を安定させて壁側に近づくようにしましょう。ホーム上の自動販売機は、転倒する可能性があるので近寄らないように!

地下鉄では先頭か最後尾車両に移動する

 地下鉄に乗車中、揺れている間は、自分の身を守るべく手すりやつり革につかまったり、姿勢を低くするのは電車やバスの乗車時と同じです。揺れがおさまって車両内がすいているようなら、先頭か最後尾の車両に移動するようにしましょう。地下鉄の場合は、非常脱出タラップといわれる非常口が先頭と最後尾の車両に設置されています。

 電車の場合は、赤色の非常用ドアコックが扉付近についています。バスは、基本的に乗車口とは対向側に非常出口がついています。

閉じ込められた車内では換気を忘れずに

 満員電車に閉じ込められてしまうと、そこは密室。換気が悪くて気分が悪くなる人も出てきます。地震を感知して送電が停止してしまうと、車内空調も停止します。車内には固定式で開けられない窓もありますが、一部、換気用に開閉できるようになっているので、乗客同士で声をかけ合い、窓を開けて換気するようにしましょう。

<第4回に続く>