マーク・ザッカーバーグ「日々、『自分はまだ旅の途中』と自覚する」/天才たちの習慣100

暮らし

公開日:2022/5/19

 世に名を馳せた天才たちによる、「毎日実践していた習慣」や「日々思い描いていた人生哲学」、「経験から生まれたマイルール」などなど…。その「効果」「効能」を、『すぐに真似できる 天才たちの習慣100』(教育総研/KADOKAWA)からご紹介します!

利益を優先するよりも「世界をあっといわせたい」

 GAFAの一角を担うフェイスブックの共同設立者の1人で、会長兼CEOのマーク・ザッカーバーグ。フェイスブックの2018年7〜9月期の業績は、売上高137億ドル(約1兆3700億円)、純利益51億ドル(約5100億円)と、前年同期比で売上は33%増となっています。

 同年7月26日のアメリカ株式市場でフェイスブック株が前日比19%安となり、時価総額が1日で1194億ドル(約12兆円)も減り、アメリカの上場企業の1日の時価総額の下げ幅としては過去最大となりましたが、依然として「SNSの雄」であり続けています。

 2011年3月にユタ州のブリガムヤング大学で若い起業家たちに贈ったマークの言葉に「心の底から情熱を燃やせるものを探そう」というものがありますが、彼がフェイスブックを立ち上げたのは、フェイスブックという場を使って「世界をあっといわせたい」からでした。

 したがって、彼は会社の収益よりもユーザーの獲得を目標の第一に掲げました。会社である以上、このような考えは株主からの批判を受けるところですが、彼は一向に気にしません。「会社を経営したいのではない。会社にしたほうが物事を進めるのに都合がいいだけ」とまでマークは語っています。

 そのため、彼は普段の生活もシンプルなものに留めています。

 長いこと小さな賃貸アパートに暮らし、床に置いたマットレスをベッド代わりにしていました。また、所有する車はホンダのアキュラTSX(アコードの北米仕様車)ですし、いつも着ているグレーのTシャツは彼のトレードマークにもなっています。

 マーク・ザッカーバーグがこのような生活スタイルを続け、また、資産の半分を寄付に回すなどしているのも、すべてはユーザーのために熱意を注いでいるからに他なりません。

フェイスブック社内に掲げられた4つのスローガン[/HEAD]

 エカテリーナ・ウォルター『THINK LIKE ZUCK』(邦題:『マーク・ザッカーバーグの思考法』講談社)によると、フェイスブックには、社内の至るところに以下の4つのスローガンがポスターやステッカーとなって掲げられているそうです。

 そのスローガンとは、「完璧より完了」「迅速に行動し、常識を打ち破れ」「脇目も振らず、新機能を投入し続けろ」「この旅はまだ1%しか進んでいない」です。

 1つ目の「完璧より完了」は、「完璧を目指すより、まず終わらせろ」という彼の名言をそのままなぞったものであることが分かります。「迅速に行動せよ」というメッセージも、他社よりも早く物事を進めないとシェアを奪えない現代のビジネスを反映させたものといえます。

 注目したいのは4つ目の「この旅はまだ1%しか進んでいない」というスローガンです。社員によると、フェイスブックが成功した要因としてこのスローガンが挙げられており、毎週新しいプログラムを導入するため、日曜に成果物を提出し、火曜に公開されるというルーティンを「常に現在進行形の当社らしいリズム。これが当社の働き方だと全員が理解している」と語っています。

 皆さんはいかがでしょうか?

 何か仕事を終えた時に「自分は一応、持てる力を100%出し切った!」などと自信満々に思ってはいないでしょうか?

 もちろん、自分で自分をほめてあげることは大切なことです。しかし、脳は「もういいや!」と“満足”した瞬間に、考えることをやめてしまうのです。

 何か新しいことに取り組んだり、難しいことをクリアしようとすると、脳内のニューロンがそれよりも強い結合をつくることが脳科学によって証明されています。つまり、脳は負荷をかけたほうがポテンシャルが上がる、ということなのです。

 フェイスブックの社内に掲げられたスローガンに、「自分たちはまだ旅の途中なのだ」という自覚を促す言葉があるというのは、彼らが「将来を強く見据えて仕事をしている」ということを意味しているのです。

天才たちの習慣
イラスト:タダトモミ

【プラスα】マーク・ザッカーバーグとヘンリー・フォードの共通点
マークが設立したフェイスブックはSNSのインフラをつくるのに成功した会社ですが、これを過去の事例に当てはめてみると、フォードを立ち上げたヘンリー・フォードが浮かび上がります。彼は世に名車フォードT型を送り出し、自動車を通して当時の世界を変革した人物です。ヘンリーが最初に描いたビジョンは「全人類に道路を開放する」というもの。そう考えると、マークの「フェイスブック」はヘンリーの「フォードT型」に相当するといえます。

天才たちの習慣

おすすめの動画はこちら

あわせて読みたい