『チーズはどこへ消えた?』の“ヘム”はその後、どうなったか知っていますか? “自分を変えるため”のメソッド満載の、続編『迷路の外には何がある? 』を要約!

ビジネス

更新日:2022/9/28

ロングセラーや話題の1冊の「読みどころ」は? ダ・ヴィンチWeb編集部がセレクトした“『迷路の外には何がある?』――『チーズはどこへ消えた?』その後の物語”(スペンサー・ジョンソン:著、門田美鈴:翻訳/扶桑社)をご紹介します。

『迷路の外には何がある?』 ――『チーズはどこへ消えた?』その後の物語
『迷路の外には何がある?』 ――『チーズはどこへ消えた?』その後の物語(スペンサー・ジョンソン:著、門田美鈴:翻訳/扶桑社)

こんな人にオススメ!

●「変化」に戸惑ったりためらったりしてしまう人
●こだわりが強く頑固な人
●現状を変えたくてもどうしていいかわからない人

3つのポイント

要点1
ある日、ヘムとホーの二人の小人の目の前から突然消えてしまった大好きなチーズ。ホーは新たなチーズを探しに行くが、ヘムはその場に留まったまま――本書はベストセラー『チーズはどこへ消えた?』の続編であり、ヘムのその後を描く。

要点2
悩んだあげく新しいチーズを探しに出かけたヘムだが、過去に固執して事態は好転しない。自分の「信念」が自らの行動を縛ることに気がついたことで、ヘムは次第に変わっていく。

要点3
「信念」が変わってもあなたはあなた――本書の短い寓話には人生の変化に怖がらず適応するための「迷路脱出法」が詰まっている。

プロフィール
著者:スペンサー・ジョンソン
医学博士・心理学者。心臓のペースメーカー開発にも携わる。さまざまな大学や研究機関の顧問をつとめ、シンクタンクに参加する一方、著作活動を続ける。ハーバード・ビジネス・スクールの名誉会員。主な著書に『1分間マネージャー』(共著)、『1分間意思決定』『人生の贈り物』ほか。

訳者:門田美鈴(かどた・みすず)
翻訳家、フリーライター。主な訳書にスペンサー・ジョンソン『人生の贈り物』『1分間意思決定』、ハリー・デント『2000年 資本主義の未来』ほか。

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●従来どおりの考え方をしていては新しいチーズは見つからない

 チーズが消えてしまった後、思い切ってチーズを探しに迷路へ旅立っていったホーは、この言葉をヘムに残した。いよいよ自分が絶体絶命の窮地にあることを理解したヘムは、ようやく重い腰をあげ迷路に新たなチーズを探しに出かける。だが迷路はかつて自分が知っていたものとはすっかり変わってしまっていた。時代は変わる。だがそれを受け入れ、それでもがんばるしかないことだけは、ヘムにもわかった。

●信念とは、自分が真実だと信じる考えのことである

 なかなか事態が好転せず絶望するヘムは、なぜ自分はホーが「一緒に迷路を探しに行こう」と言ったときに断ったのかを考える。あのときは「自分が正しくてホーが間違っている」と確信していたために聞く耳すら持たなかった。自分の考え(=「信念」)はとても大きな力を持つのだ。

●古い信念はあなたを囚人にしかねない

「そのまま動かないでいつづければ、事態は好転する。ホーはばかげた理由で立ち去り、自分はもっと分別がある」――当時のヘムはそう考えていた。そうした考え(信念)がヘム自身を縛り、その場にとどまらせ、危機が迫っていることにも目をつぶらせていた。そして気がつけば絶体絶命……古い信念にこりかたまっていると、自分の命すら奪うことになるかもしれない。

●あなたの足を引っぱる信念がある あなたを向上させる信念もある

 ヘムの新しい友達・ホープは、消耗したヘムに「リンゴ」という新しい食べ物を与え救ってくれた。だが最初こそヘムは「僕はチーズしか食べない」とそれを拒んでいた。そのままの信念でいたら飢えて死んでいたかもしれない。

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●あなたは考えを変えることができる 新しい信念を選びとることができる

 かつてのヘムは自分の考えに反対されるのが嫌で、自分が正しくないように言われると腹をたてた。だがリンゴを食べて元気になった今、「食べられるものはチーズだけではない」と考え方を変えることができたし、変えられたこと自体にうれしくなった。

●あなたとあなたの信念はイコールではない あなたは自分の信念を選ぶことができる

 かつては自分の信念を変えたくなかったヘム。それは信念が気に入っていたからであり、その信念によっていまの自分がつくられたと思っていたからだ。だが今のヘムは別の考え(=信念)を選ぶことができた。それでもヘムがヘムでなくなることはなかった!

●あなたが信じられることに限界はない

「もうできない。不可能だ」と考えることも信念のひとつ。だが信念だから変えることができるし、「不可能ではない」と考えるのも自分次第なのだ。それを悟ったヘムは見違えるように元気になった。

●あるかどうかわからなくても あると信じなければならないときもある

 以前と同じやり方でやっていてもうまくいかないことはわかっているヘム。だが、どうしていいかわからない。そんなときにホープは「迷路の外には何があるのかしら?」とヘムに問いかける。

 自分の中に固定観念や恐れるものがあったとして、イコールそれが正しいとは限らない。つまり、信じることや信念の持ちようは、自分の考えと全く同一にする必要はないのかもしれない。ホープのアドバイスに応じて考え方を見直してみるヘム。彼に起きていく心と行動の変化とは……。

 さらに、このお話を自分の物語として見たとき、どう読み取り、得られる教訓をどう生かすか。最終章はそのヒントを与えてくれるだろう。

文=荒井理恵

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