15歳が大きな壁!? 発達障害の子どもを大きく伸ばす適切な「言葉かけ」とは?

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2016/10/6

発達障害の子どもを伸ばす親子関係とは?

 子どもの発達障害は大きく3つにわけられる。ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)は、空気が読めない、寡黙or多弁、こだわりが強い、音や光、肌触り、感覚(刺激)に鋭敏or鈍感といった一見矛盾する多様な特徴がある。ADHD(注意欠陥多動性障害)は主に、活発で落ち着きがなく突発的な行動が多い多動・衝動傾向、注意散漫で片付けが苦手で忘れ物が多い不注意、感情のコントロールが難しいのが特徴。LD(学習障害)は、全般的な知的発達に遅れはないが、聞く・話す・読む・書く・計算するといった特定の能力の習得が困難なことが多い。

 自分の子どもがこのいずれかの診断を受けたら、いったいどうすればいいのか? 今回、紹介する本はそんな悩みを持つ親御さんにお薦めしたい3冊だが、たとえ子どもが発達障害でなくても子育てがうまくいかず悩んでいるすべての親に読んでほしい本でもある。

 1冊目は『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(講談社)だ。著者のshizuさんは3歳で自閉症と診断された息子さんをABA(応用行動分析)の療育法をベースに育て、言語能力と社会性を飛躍的に伸ばした経験を持つ。本書では、shizuさんが実践してきた子どもへの言葉かけや行動で効果があったものをまとめて紹介している。

 ABAを利用した働きかけを行うときののポイントは、まず子どもも親も「一緒にいると楽しい」と思えるいい親子関係を築くこと。そしてひとつの課題を細かくわけてスモールステップで成功体験を重ねる、ほめ言葉を上手に使う、できない課題は手助けをしてあげる、必ず成功体験で終わらせるといったことがあげられる。どれも子育ての基本と言えるものばかりだが、子どもの悪いところやできないことが目について叱ってばかりいる人は、自分自身が子育ての悪循環を招いていることに気づかされるだろう。

 そういう人に一番役に立つのは、子どもの叱り方や問題行動への対処法について詳しく説明している部分だ。「~しちゃだめ」「~しなさい」といった否定形や命令形の言葉をかけるのは、まったくの逆効果。肯定的な言葉をかけて「~しよう」「~してね」と言い換えるだけで、子どもは行動に移しやすくなる。

 子どもの問題行動はすべて目的があるため、それに合わせた対応をしなければエスカレートする可能性がある。体をやさしくトントン叩きながら1、2、3…と数を数える癇癪のしずめ方や、物を投げるなどの許しがたい行為をした時のクールダウンの仕方なども、イラスト付きで説明された事例があって具体的でわかりやすい。

 2冊目の『発達障害の子の「イライラ」コントロール術』(有光興記/講談社)は、イライラしてキレやすく学校や家庭で問題を起こしてしまう子どもへの対処法を知ることができる。友達とケンカばかりしている男子、勉強で他の子に負けると嫌がらせをする女子、突然キレて暴力的になる男子、勉強ができない苛立ちから家出を繰り返す女子……。こういったタイプの子には、ASD、ADHD、LDいずれかの傾向があることが多いため、その特性に合わせた対応が必要なのだ。しかしそれよりも先に取り組むべきは実は「親のイライラ対策」。そう言われて耳が痛くなる人も多いと思うが、それが実践できれば問題の大半は解決するといっても過言ではないだろう。子どものイライラをおさえるための第一歩は「親が子どもの話を聞くこと。ただそれだけです」というアドバイスは簡単なようで難しいことかもしれないが、常に忘れず肝に銘じておきたい言葉だ。親が子どもの悩みや苦しみを共有する一番の理解者であるために、何度も繰り返し読みたい本である。