「やらなきゃいけない」のに動けない…から脱却するコツ

暮らし

公開日:2016/10/20

『「やる気はあるのに動けない」そんな自分を操るコツ』(児玉光雄/SBクリエイティブ)

 締め切りは今日。やらなければならないのはわかっている。しかし、身体が動かない。テスト勉強を控えた学生諸君や、レポートなどの提出期限が迫る皆さまの中に、同様の悩みをもつ人がいるだろう。何を隠そう、今この原稿を書いている私も同じように悩んでいる。

「やらなければ」、でも「動けない」。これを解消することができるちょっとしたコツを紹介しているのが『「やる気はあるのに動けない」そんな自分を操るコツ』(児玉光雄/SBクリエイティブ)だ。著者は、数々のプロアスリートにメンタルカウンセリングを施してきた心理学のスペシャリスト・児玉光雄氏。とはいえ、本当に児玉氏の教えを実践すれば“やる気”がみなぎり、動けるようになるのだろうか。実際に本書に書かれているアドバイスをいくつか実践してみた。

「やる気を出せ」ではなく「やる気がなくてもいい」

「仕事を完璧にこなさなければ」「意欲的に物事に取り組まなければ」。やる気が出ないときにこの考え方はNG。ネガティブな感情になってしまい、余計やる気がなくなるそう。確かに、思うようにできないと自分を責めてしまう。「今はやる気がなくても大丈夫」と自分に語りかけることが大切なのだ。「完璧でなくてもいい」「途中でもいい」「15分だけでもいい」。そう考えるだけで、重い腰が少し軽くなった。

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行動に移せないときには「今日だけは…」と唱えてみる

 私は朝起きるのが苦手だ。仕事の予定がなければ、起床時間は正午を回る。フリーライターの特権と言えるかもしれないが、さすがにマズい…。ここで本書のアドバイスを実践。「今日だけは朝9時に起きて朝食を作る」と唱えてみた。「今日だけ!」で、行動のハードルが下がるので、「今日だけなら…」となんとか起きることに成功。「テキストを3ページだけ読む」、「200文字だけ原稿を書く」など応用もしやすそうだ。ちなみに早起きに関しては現在まで1週間続けることができている。

「いつまでにどのくらい」を小刻みに設定する

 1週間後が原稿の締め切り。頭の中で何を書こうか、どういう構成にしようかとぼんやり考えはするものの、手をつけるのは前日。あるいは当日の朝なんてことも。著者曰く小刻みに、具体的にスケジュールを組むべきだという。

 例えば「1年間で12Kgの減量」という目標ならば、「1カ月で1kg」、さらに「1日30g」と細かくすることで、より簡単に感じられる。

仕事には完璧さよりも、ある程度の適当さと妥協が必要

「仕事を完璧に」と考えてしまえばしまうほど仕事に取り組むことができない。そのため、時間をただ浪費して、できないことへのストレスを感じる。児玉氏は100%ではなく「80%」を目指して仕事を進めることを提言している。そう考えるだけで、気持ちをラクにして取り組むことができるというアドバイスだ。

 自分にはあまりない考え方。しかし、最初の「やる気がなくてもいい」と相まって、以前よりも気軽に仕事ができる気がした。

 以上の4点を実践してみたが、その甲斐あってか、以前よりも仕事に取り組むことが苦にならなくなったようだ。なにより、今まで仕事に対して完璧を求め、肩ひじを張りすぎていたのかも…と考えるようになった。このことが最も大きな成果かもしれない。ひとまず、明日も「今日だけは!」精神で早起き継続を心がけよう。

文=冴島友貴