累計495万部!東野圭吾「 マスカレード」シリーズ最新作の文庫版が登場。USJでショーも開催中の本作の魅力に迫る【書評】
PR 公開日:2025/3/22

一流ホテルのホスピタリティを体現するホテルマンと、そのホテルで潜入捜査を行うことになった警察官が、互いの価値観の違いを乗り越えて手を組み、複雑に絡み合う謎を解き明かしていく。
ホテルを舞台に繰り広げられる極上のミステリーを描いた「マスカレード」シリーズは、2025年時点でシリーズ累計495万部を記録した。『白夜行』や「ガリレオ」シリーズなど、数多くの人気作を世に出してきた東野圭吾氏の代表作の一つと言えるだろう。そんな『マスカレード』シリーズの最新作であり、集大成と謳われる『マスカレード・ゲーム』(東野圭吾/集英社)の文庫版が発売される。
警視庁捜査一課の課長として、ある殺人事件を追う警部・新田浩介。新田が担当する事件が、他の事件とも関連している可能性が捜査によって浮上する中、互いに面識がないはずの各事件の容疑者らが同じホテルに宿泊する予定があることがわかる。ホテル・コルテシア東京……かつて新田が潜入捜査を経験したホテルだ。事件解決の糸口を探るべく、新田は再びホテルマンの“仮面”を被る。
本作の見どころは、主要人物の成長と立場の変化だ。新田は昇進を経て中間管理職の立場にあり、警察とホテルそれぞれの正義の間で板挟みになる。シリーズ作品において新田のバディ役を務める優秀な女性ホテルマン・山岸は、捜査協力の姿勢から、以前に増して警察への理解が深まっていることがうかがえる。そんな新田と山岸が、互いのプロ意識や職業観を尊重しつつ事件解決を目指す姿には、数々の事件を共にしてきた二人の安定感と成長を感じる。
クリスマスを迎えて一層華やぐホテルの様子を体感できるのも本作の魅力だ。繁忙期でホテルを行き交う人々の人数が増えていること、クリスマスならではのイベントが発生することも、謎の難度を高める要素として効いている。
そして結末の意外性。「誰が犯人か」という問いの答えを求めてページを休むことなくめくり続けた先に描かれる、「なぜ犯行に及んだか」という別の問いの答え。ラストで描かれる事件の全貌に、読者は胸を打たれるだろう。
最後に、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで開催されているライブショーについて紹介したい。「狙われた仮面舞踏会」は、「マスカレード」シリーズの世界観を体験できる参加型リアル・ミステリーショーだ。参加者はホテル・コルテシア東京で開催される“マスカレード・パーティ”の招待客の一人になる。参加者の決断によって結末が変わる、マルチエンディング型を採用していることも興味深い。本作が好きな方々には、ぜひライブショーも体験していただき、自ら真相にたどりつく快感を味わってほしい。同ライブショーは2025年1月24日(金)から6月30日(月)まで開催。チケットはオフィシャルサイトで販売中だ。
文=宿木雪樹