日本の「面白い」を世界へ。ミステリー&文芸好き必見の新レーベル「ハーパーBOOKS+」が創刊!
PR 更新日:2025/5/26

2025年5月15日(木)、ハーパーコリンズ・ジャパンの新レーベル「ハーパーBOOKS+(プラス)」が創刊された。世界中の作品を日本に広げてきた同社が、今度は海外出版を視野に日本の作品を刊行していく。
ハーパーコリンズ・ジャパンは、2015年に一般書籍部門世界第2位のグローバル出版社であるハーパーコリンズ・パブリッシャーズの日本支社として誕生。「世界をめくれ。」のキャッチコピーとともに、翻訳小説の文庫レーベル「ハーパーBOOKS」を中心に、世界中の注目作品を日本へと届けてきた。
そんな同社が創立から10周年を迎える2025年、新たな試みとして発足させたのが「ハーパーBOOKS+」。ジャンルはミステリーと一般文芸を中心に、日本中の面白い作品を発掘して奇数月の15日に刊行していくという。
実は創刊に先立ち、3月25日(火)に飯田雪子氏のベストセラー作品『夏空に、きみと見た夢』、NHK連続テレビ小説『虎に翼』の脚本家として知られる吉田恵里香氏の『にじゅうよんのひとみ』がプレ創刊として復刊している。

『夏空に、きみと見た夢』は、ヒロインの女子高校生・悠里と見ず知らずの男子高校生・天也(たかや)を巡るちょっぴり奇妙で心温まるひと夏の奇跡を描いたラブストーリー。冒頭から結末にかけて180度変化していく展開に多くの読者が心打たれ、「号泣必至のラブストーリー」として10万部を超えるベストセラーとなり、話題を集めた一冊だ。

『にじゅうよんのひとみ』は、2016年にリリースされたファンタジー小説。主人公・ひとみは、「なんだかなぁ」と冴えない日々を送っていた。そんな彼女が24歳の誕生日を迎えた0時過ぎ、突然目の前に赤ん坊が現れる。1時間に1歳成長するその不思議な子は、なんと過去の自分で――。
そして創刊日となる5月15日には、注目の作家陣による文芸&ミステリーが2作刊行されている。『黒猫のいる回想図書館』は、著作が世界29カ国で刊行決定になるなど話題の作家で、2013年に第11回「このミステリーがすごい!」大賞の“隠し玉”としてデビューした柊サナカ氏による作品だ。

結婚式を目前にして恋人に振られた千紗は、同時に仕事も住む場所もなくして不幸のどん底にいた。そんな彼女に一匹の黒猫が「人生最悪の日か」と問いかける。やけくそ気味に「そうだ」と答えた千紗は、気がつくと不思議な図書館にいて――。柊氏が「これ以上のない人生最悪の4ページ」と語る冒頭から幕を開けるハートウォーミングな物語は、きっと読み手の人生を明るく照らしてくれるに違いない。

近年大流行しているリアル謎解きゲーム。その要素をミステリー小説に落とし込んだのが、三日市零氏による『魔女の館の殺人』だ。主人公・進藤理人は理学部に通う大学2年生。ある日ルームメイト・柏木詩文とともに山奥の洋館で催される脱出ゲームに参加していた。しかしその最中、何者かの焼死体が館内で発見される。館から出られる条件はただひとつ、九つの謎を解くこと――。作中の出題を読者も一緒に解けるという、読者参加型ミステリーとなっている。
また「ハーパーBOOKS+」では7月以降も注目作品が続々と刊行予定。まず7月15日(火)には、「ちびねこ亭の思い出ごはん」シリーズで知られる高橋由太氏の連作短編集『くるり駅でさよならを 白黒ねこと夕暮れの町』、シリーズ累計60万部超えの「化学探偵Mr.キュリー」シリーズの喜多喜久氏が贈る新作ミステリー『全能のカミナ』、9月15日(月)には元お笑い芸人の小説家・藤崎翔氏の新作『オリエンド鈍行殺人事件』といったラインナップが控えている。
『くるり駅でさよならを 白黒ねこと夕暮れの町』の舞台は、千葉県内を走る久留里線。その電車には、ときどき白黒の猫が乗っている。その猫について行くと、たどり着くのは「くるり」という、路線図には載っていない駅。そこには亡くなったはずの大事な人が待っていて――。同作に登場するのは初恋の人や最愛の母、大好きな飼い主といった大事な相手と別れを告げられないまま死別した主人公たち。そんな彼らの心の再生を描いていく。
斬新なアイディアが人気のミステリーの仕掛け人・喜多氏が手掛ける新作『全能のカミナ』は、ミステリアスな少女・カミナを巡る物語。彼女は高校時代に雷に打たれ、それ以来自分に不思議な力が芽生えたと信じ込んでいるらしい。そんなカミナに興味を持った主人公は彼女と行動をともにし、彼らが通う大学周辺で発生している殺人事件に相対していく――。
最後に紹介する『オリエンド鈍行殺人事件』は、笑いあり・涙あり・殺しありの、バラエティ豊かな短編集。表題作「オリエンド鈍行殺人事件」は、北関東のとある田舎のローカル線が舞台。折田駅と遠藤駅を結ぶことから、かのミステリ作品をもじって「オリエンド鈍行」と呼ばれるこの電車内で死体が発見された。居合わせた乗客たちは犯人探しを始めるのだが……。
さらに今後のラインナップとして、全世界で大ヒット中の心理推理ゲームを題材としたサスペンス・ホラー『人狼ゲーム』シリーズやマーダーミステリーの『九頭竜館の殺人』などを手掛けた川上亮氏、第18回「このミステリーがすごい!」大賞の「U-NEXT・カンテレ賞」を受賞した『そして、ユリコは一人になった』の著者・貴戸湊太氏、「金曜日の本屋さん」シリーズが海外で注目を集めている小説家の名取佐和子氏……など注目の作家陣もスタンバイしている。
「世界をめくれ。」から「世界でめくれ。」へ――。意欲的な作品の数々の登場に、期待が高まるばかり。今後のラインアップにも注目したい。