東野圭吾の「マスカレード」シリーズ最新作を人気漫画家が紹介 作中の文学賞選考会のメタ感とリアリティと臨場感に「こういうの大好き」

文芸・カルチャー

PR 公開日:2025/8/11

マスカレード・ライフ
マスカレード・ライフ東野圭吾/集英社)

 2025年7月30日、東野圭吾氏の人気小説「マスカレード」シリーズから最新作『マスカレード・ライフ』(集英社)が刊行された。“シリーズ総決算”と謳われた前作『マスカレード・ゲーム』(同)に対し、同作では警視庁を辞めた主人公の新たな物語が紡がれていく。

「マスカレード」シリーズは、都内の一流ホテル「ホテル・コルテシア東京」を舞台に、ホテルマンに扮して潜入捜査を行う刑事・新田浩介と、優秀なフロントクラーク・山岸尚美がコンビを組み、難事件に挑むミステリ作品。

 これまで『マスカレード・ホテル』『マスカレード・イブ』などが刊行されてきたが、前作『マスカレード・ゲーム』の終盤で、新田は警視庁を退職。ホテル・コルテシア東京から誘いを受け、宿泊客や従業員の安全・防犯を担う保安課長に転身した。

 今回の最新作では、そんな彼のもとに、警視庁から新たな協力要請が届く。その内容は、ホテルで開催される「日本推理小説新人賞」選考会当日に、候補者の一人として“ある死体遺棄事件”の重要参考人が会場へ現れるというものだった――。

 新田といえばミステリ好きで、知能犯との戦いに憧れて警察に入庁した人物。冷静沈着な思考と鋭い洞察力で数々の“仮面”を暴き、『マスカレード・ゲーム』ではついに警部へと昇進した。警察官として順調にキャリアを重ねていた彼が、“ある事情”により辞職した背景とは一体何だったのか。事件の内容はもちろん、新田の心中も気になるところだ。

 また物語の裏側では、新田の私生活にも大きな動きがある。実はアメリカに在住する彼の父親が一時帰国し、「ホテル・コルテシア東京」に宿泊することに。久々の親子の再会が描かれるのだが、何やら二人の間には深い溝がある様子。果たしてこの再会は、新田の内面にどのような影響を与えるのか。もしかすると、これまであまり語られてこなかった新田の過去をひもとくカギになるかもしれない。

 ホテルマンとして歩み始めた新田と因縁深い父親との再会が描かれ、シリーズが大きな転換点を迎える気配を漂わせる『マスカレード・ライフ』。その内容の一端を描いたマンガがXで公開されている。手掛けたのは、『サチコと神ねこ様』や『ゆかぴ船長』の作者、さらに『だんな様はひろゆき』の作画としても知られている漫画家・わこ氏。特に印象深かった場面として“文学賞選考会”を挙げ、「期待通りのメタ感とリアリティと臨場感でした」とコメントしていた。

 ホテルマンとなった新田の新たな活躍を、わこ氏の紹介マンガとあわせて確認しておきたい。

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