【都市ボーイズ/はやせやすひろ×クダマツヒロシ】あなたの実家も呪われている? 本当にあった実家の怖い話に背筋が凍る『ヤバい実家』インタビュー

文芸・カルチャー

公開日:2025/8/30

不可解なエピソードが小説になることで答え合わせができた

――でも、家族の話をされたら、あまり冷たくできないところもありますよね。

はやせ いや、家族の話でも同じです(笑)。でも僕は、皆さんの体験を話す時のルールを決めているんです。相談者さんはトラウマをほじくって話してくれてるのに、僕が話すことでそれが悪い形で拡散されて攻撃されるのは意味がわからないんで、自分が一番、悪者になろうとしてます。「この体験者の言ってることはちょっと変だけど、それよりも話聞いてるこいつのほうがヤバないか?」って思われるように、あえてひねくれて物を言ったりして、相談者さんにヘイトが向かないように考えて活動はしていますね。

――それってすごく、相談者さんに対する優しさですね。

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はやせ そうです。

――(笑)。

はやせ 相談者さんに寄り添って発信するようにしています。その感じはこの本の中でも伝わったので、クダマツさんが僕の動画をたくさん見て作り上げてくれたんだと思いましたね。うちの奥さんがこの本を読んで、ちっちゃい声で「合格」って言っていました。一番厳しい奥さんがそう言うなら、いい本なんだと思います。

クダマツ (笑)ありがとうございます。

はやせ 実際、面白かったですし、まとめる力がすごいと思いました。僕自身、話を聞いたり、発信したりした後も、自分の中で「これ、なんやったんやろう?」ってポカーンとしてる部分もあるんですね。クダマツさんが書いてくれたお話を読むと、その答え合わせができるんです。時系列もきっちりしているし、面白く小説にする力はすごいですね。読んでいて、「これ、すっごい怖い話じゃん」って気付きました。

クダマツ 今回、本に掲載しているエピソードは全部、最初から最後までいろんなことが起こっていて、要素が多い話ばかりだったんですね。それをまとめるのは難しかったんですけど、編集者さんと一緒に、一番読者の方が入り込みやすい構成を考えて作っていくのは、すごく楽しかったです。

五寸釘が刺さった藁人形を万博に連れていってあげたら……

――この書籍を作っている間に、身の回りで起きた怖いこと、不思議なことはありましたか?

はやせ 6月に、日本で一番成功率が高いと言われている呪術師の方に西日本で会って、「自分を殺してくれ」ってお願いして、呪いをかけてもらったんです。その日、夫婦で西日本のほうに泊まっていたんですけど、コンビニで買ったアイスに噛み切った爪が入っていたり、いろいろ怖いことがあったんですね。その日の夜も、スタッフさんも含めて3人で居酒屋に入ったんですけど、メニューにオムライスがあって。居酒屋にオムライスって珍しいから、頼んだら、ケチャップでファックって書かれてました。

クダマツ ははははは!

はやせ 「呪いだ」と思って、そこの居酒屋のお母さんに「オムライスにファックって書いてありますよ」って言ったら、「ええ」って言ってました。

――(笑)。

はやせ でも、呪いって反転したら祝いになるんです。だから、儀式で使った五寸釘が刺さった僕の藁人形を、万博に連れていってあげたんですね。でっかい五寸釘刺さってるのに、なぜか持ち物検査、通過できて。ミャクミャクと写真撮ったりして一緒に回っていたら、その藁人形を怖がっていた奥さんが「かわいい」って言い出して。それ以来、名前つけて、寝る時も寝室に連れていくし、暑い日は藁人形のために汗拭きシートを持って出かけたり、希少なレモンケーキをあげたりしています。

――溺愛してますね!

はやせ そうなんですよ。僕より可愛がってます。それが怖かったです。

実家に変なものがあったら由来を聞いてみるのがオススメ

――自分の実家が「ヤバい実家」かどうか、見極めるポイントはありますか?

はやせ 僕の実家もそうですけど、自分の家や地域では普通のことだからあえて人に言っていないことって、結構あるんですよね。うちのおばあちゃんも、普通のことだと思って話してなかったらしいんですけど、若い時に、池で水汲みしていたらカッパに足掴まれて、引っ張り上げてしばいたらしいです。

クダマツ ははははは!

はやせ 特に田舎って、○○様って、何かに様をつけた信仰物が多いんですよね。実家の周りで、そういう変わった信仰物があるかどうか、調べてみるといいかもしれません。蔵とか納屋に狐を祀った祠がある家も多いんですけど、実は、五穀豊穣のためだけじゃなくて、その蔵でおかしなことが起きるから呪いを稲荷に食べてもらうために置いていたりもします。実家で、不思議なものが置いてある理由を聞いてみたら、「実はあそこの蔵、変なことがあってね」っていう話を聞けるかもしれないですね。

クダマツ 基本的に家とか地域って小さなコミュニティだから、その中で常識として扱われている部分はありますよね。そのコミュニティの外の人と話して、家の風習とか、その土地の生活環境にまつわるズレを知ることが、実家の怖い話に気付く近道だと思います。

取材・文=川辺美希、撮影=川口宗道

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