「直木賞」歴代受賞作品 一覧【2025年最新版】
公開日:2025/12/24
第79回 離婚

「ことさら深刻ぶるのはよそうぜ」などとカッコいいせりふを吐いてぼくたち二人はおたがい納得して「離婚」したのです。ところがどこでどうなってしまったのでしょうか、ぼくはいつのまにか、「もと女房」のアパートに住みついてしまって……。男と女のふしぎな愛と倦怠の形を、味わい深い独特の筆致で描き出した第七十九回直木賞受賞作品。さらに表題作の続篇の形で書かれた「四人」「妻の嫁入り」、前篇ともいえる「少女たち」の三篇を併録した。
第79回 深重の海
滅びゆく古式捕鯨の悲劇を描く
明治11年、捕鯨史上の大遭難となった熊野沖の“背美流れ”。それは長年栄えた古式捕鯨衰退の始まりでもあった。時代に置き去りにされるものたちの叫びと愛を描く傑作長編。直木賞受賞作。
第78回 受賞作なし
第77回 受賞作なし
第76回 子育てごっこ

子育てと教育を問い直す直木賞受賞の話題作
東北の寒村で小学校教師をしている夫妻が、ひょんなことから学校に通ったことのない少女・吏華を預かることになった。吏華は5歳のころより老画家に連れられて、住まいを転々としていたのだ。
厳格な<男先生>と社会常識のかけらも身につけていない吏華、その間に立って右往左往する<女先生>の波乱の日々が始まる――。
子育てとは、教育とは何かを問う問題作で、1976年に第41回文學界新人賞、第76回直木賞を受賞。1979年には映画化され大きな反響を呼んだ。
より事実をなぞっているといわれる姉妹作「親もどき〈小説・きだみのる〉」を同時収録。
第75回 受賞作なし
第74回 復讐するは我にあり

列島を縦断しながら殺人や詐欺を重ね、高度成長に沸く日本を震撼させた稀代の知能犯・榎津巌。捜査陣を翻弄した78日間の逃避行は10歳の少女が正体を見破り終結、逮捕された榎津は死刑に―。綿密な取材と斬新な切り口で直木賞を受賞したノンフィクション・ノベルの金字塔を三十数年ぶりに全面改訂した決定版。この悪の世界の、現実上の生きた主役が「犯罪」である。文学の源泉だから、日本の文学ももっと早く、悪の世界の探求に創作のエネルギーを集中させればいいのに、と思っていたが、なかなかそうはならなかった。──と、そこへ、この人を視よ、ではないが、この作品を視よ、と決定的な姿で出現したのが、佐木隆三『復讐するは我にあり』だった。犯罪と文学、というテーマに興味を抱いていたわたしは、早速読み、日本にもとうとうこんな文学が誕生した、と喜ぶとともに、犯罪ついて考えるためのいろいろのヒントを与えられた。(解説・秋山駿)
第73回 受賞作なし
第72回 雨やどり
舞台は新宿裏通りのバー街。「ルヰ」のバーテンダー仙田を主人公に、彼の前を通り過ぎて行く、いろいろな男と女の哀歓漂う人間模様を描き出す連作。直木賞受賞の表題作をはじめ、「おさせ伝説」「ふたり」「新宿の名人」など8編を収録。
第72回 アトラス伝説
明治十四年一人の洋画家が謎の死をとげた。冬崖・川上万之丞陸軍測地課長の要職にあった。狂を発し死に走ると伝えられた真相は?直木賞受賞作の他に「非英雄伝」など三篇を収める。解・夏堀正元
第71回 鬼の詩

二〇一二年十月に亡くなった著者の代表作集。直木賞受賞作「鬼の詩」、運命的な師・映画監督川島雄三のモデル小説「生きいそぎの記」他、「贋芸人抄」「下座地獄」、講演「師匠・川島雄三を語る」。
