「直木賞」歴代受賞作品 一覧【2025年最新版】
公開日:2025/12/24
第49回 女のいくさ
女性が戦前の慣習、男性の我が儘・傲慢に立ち向かっていく物語
第48回 江分利満氏の優雅な生活

昭和一桁世代の哀歓、そして悲喜劇
卓抜な人物描写と世態風俗の鋭い観察によって昭和一桁世代の悲喜劇を鮮やかに描き、高度経済成長期前後の一時代をくっきりと刻む。
解説:小玉武
描かれているのは、昭和の年号とともに生きてきたサラリーマンのごく普通の日常に過ぎない。しかし、エッセイとも日記とも思えるスタイルと軽妙洒脱な文章を通して、それが大変な出来事の積み重ねであることが分かってくる。
第47回 孤愁の岸

財政難に喘ぐ薩摩藩に突如濃尾三川治水の幕命が下る。露骨な外様潰しの策謀と知りつつ、平田靭負ら薩摩藩士は遥か濃尾の地に赴いた。利に走る商人、自村のエゴに狂奔する百姓、腐敗しきった公儀役人らを相手に、お手伝い方の勝算なき戦いが始まった……。史上名高い宝暦大治水をグローバルに描く傑作長編。
第47回 天才と狂人の間
20歳で長編小説『地上』によってデビユーし、いちやく文壇の流行児となりながら、わずか数年で没落した男、自分を天才と信じこんだ島田清次郎の狂気にも似た生涯を克明に描く直木賞受賞の傑作伝記小説。
第46回 螢の河

第四十六回直木賞受賞作―本書は、芥川賞の純文学と、直木賞の大衆文学の壁を取り払った記念すべき作品と評価の高い名作。松本清張は「巧緻な文章で抒情を盛り上げた」とし、大仏次郎は「素直にヒューマンな作品」とたたえた。戦記文学の粋。
第45回 雁の寺

少年僧の孤独と凄惨な情念のたぎりを描いて、直木賞に輝く「雁の寺」、哀しみを全身に秘めた独特の女性像をうちたてた「越前竹人形」。
第44回 背徳のメス

夜の非人間的な女誑しと昼間の正義の医師。大阪を舞台に、デカダンス、ニヒリズム、無気力、情欲、犯罪が百鬼夜行する異常空間を描いたハードボイルド的長編推理小説。第四十四回直木賞受賞作品。
第44回 はぐれ念仏
念仏宗の内部にてくりひろげられる俗臭ふんぷんたる選挙戦の人間模様をコミカルかつ軽快な筆致で描き、第44回直木賞を受賞した表題作ほか、仏教テーマの哀感を誘う3編を収録。
第43回 錯乱

池波正太郎の直木賞受賞作、文庫として復刊! 信州松代藩十万石。馬廻りの藩士・平五郎は、温厚な人柄で城下に知られ、誰もが盤を囲みたがる好人物。隠居中の先代藩主・真田信之にも気に入られ将棋の相手をさせられるほどである。ある日、藩主の信政が突如卒倒、三日後に没して城下は騒然となった。その報を聞いた堀平五郎の目に、一瞬、異様な鋭い光が走ったー。 第四十三回直木賞受賞作「錯乱」のほか、武士のあり方が変わりゆく時代に罪を犯したある藩士の行く末を描く「碁盤の首」、藩内構想に翻弄される男の姿を描く「刺客」、謹厳で知られる火付盗賊改めの旗本の夜の顔は……「秘図」、幕末・明治の動乱を突き抜けた陸軍少将・桐野利秋こと中村半次郎を描く「賊将」。 珠玉の五作品を収録。
第42回 團十郎切腹事件

謎を残す八代目團十郎の死を、名探偵・老優雅楽が卓抜な着想で推理する、直木賞受賞の表題作のほか、『車引殺人事件』『奈落殺人事件』など、花道と奈落の明暗の境に生きる役者の世界に材をとる7篇を収録。頭脳明晰にして洒脱、ユニークな名探偵・雅楽を得て、歌舞伎の虚構美と謎解きの論理性がみごと結晶した本格推理短篇集。
第42回 梟の城

司馬遼太郎伝説は、ここから始まった! 直木賞受賞作。
信長、秀吉……権力者たちの陰で、凄絶な死闘を展開する二人の忍者の生きざまを通して、かげろうの如き彼らの実像を活写した長編。
織田信長によって父母と妹、そして一族を惨殺された怨念と、忍者としての生きがいをかけて豊臣秀吉暗殺をねらう伊賀者、葛籠重蔵。相弟子で、忍びの道を捨て仕官をし、伊賀を売って、重蔵を捕えることに出世の方途を求める風間五平。
戦国末期の権力争いを背景に、二人の伊賀者の対照的な生きざまを通して、かげろうのごとき忍者の実像を活写し、歴史小説に新しい時代を画した直木賞受賞作品。
第41回 鏨師

無銘の刀に名匠の偽銘を切る鏨師とそれを見破る鑑定家の対決を描く直木賞受賞作「鏨師」のほか、芸の世界に材を得た初期短篇集
第41回 馬淵川
岩手県北部を流れる馬淵川のほとりの集落が舞台。南部藩の御用商人の後妻となった士族の娘・さと子の70年に及ぶ生涯を軸に、幕末から大正末まで4代にわたる家族の愛と死、悲しみを12の連作短編で描いた。
第40回 総会屋錦城

城山三郎が切り拓いた、経済小説というジャンル。
その城山文学の原点にして、経済小説の魁。珠玉の七短編を収録。
直木賞受賞の表題作は、株主総会の席上やその裏面で、命がけで暗躍する、財界の影武者ともいえる総会屋の老ボスを描く評判作。ほかに交通事故の時だけタクシー会社の重役の身代りで見舞いや弔問にゆく五十男の悲しみを描いた「事故専務」をはじめ、資本主義社会のからくり、陰謀などを、入念な考証に基づき、迫力あるスピード感と構成力で描く本格的な社会小説7編を収める。
第40回 落ちる

江戸川乱歩賞と直木賞をダブル受賞した昭和の名手、深い抒情性とミステリのたくらみに満ちた単行本未収録作品を含む14篇。文庫オリジナル編集。
