「直木賞」歴代受賞作品 一覧【2025年最新版】
公開日:2025/12/24
第39回 花のれん

大阪の街中へわての花のれんを幾つも幾つも仕掛けたいのや――細腕一本でみごとな寄席を作りあげた浪花女のど根性の生涯を描く。
第39回 赤い雪

敗戦後の長春。かつて満州国の首都で「新京」と呼ばれたこの街は、ソ連軍の占領下から国民政府の統治となり、ついで共産軍により占領され、さらに米国供与の武器で武装した国民党軍に奪還された。日本の敗戦後、在留邦人は俘虜となって職を失い、次々に入れ替わる統治者の政策で翻弄される。
第39回直木賞(昭和33年上半期)受賞作。半世紀ぶりの復刊。
第38回 受賞作なし
第37回 ルソンの谷間
「戦争を離れて、私の人生は存在しない」―一兵士としてフィリピンの最前線に赴き、苛烈な戦争を体験した著者は、戦後の平和が何年つづこうとも、最後の戦場生活は、決して薄れることのない刻印を私の体に刻みつけている、と述べ、さらに、それが薄れることを望む気持は、今もない、と断言する。本書は青春を戦争の中に生きねばならなかった兵士が書き綴った孤高の戦争文学。直木賞受賞作。
第36回 勝烏
第36回 お吟さま

千利休の娘・お吟の胸には、堺の豪商・万代屋宗安に嫁いだ後も、初恋のキリシタン大名・高山右近の俤(おもかげ)がひそかに生きつづけていた。やがて離婚したお吟の美貌は、最高権力者・秀吉の関心をひき、その軋轢が、お吟と利休を苛酷な運命の袋小路に引きずりこむ……。戦国の世を生きた薄幸の美女を描き第36回直木賞を受けた名作に、平家滅亡に生涯を賭した僧の生きざまを綴る『弱法師』を加えた本格歴史小説集。
第35回 壁の花
第35回 燈台鬼

遣唐副使として唐に渡ったまま行方不明となった父・石根(いわね)を求め、道麻呂(みちまろ)はかの地へ赴いた。二十数年の歳月を経て、ようやく出会った父は、あまりにもおぞましい姿に変わり果て……。 直木賞受賞の表題作のほか、オール新人杯第一回受賞作「子守りの殿」、異色作「水妖記」など初期の作品六編を収録。直木賞受賞までの歴史小説をすべて網羅した、巨匠の原点!
第34回 香港

「類稀なる傑作。私たちの甘さを根底から容赦なく揺さぶってくる」(東山彰良氏「解説」より)
金だけだ。金だけがあてになる唯一のものだ――。
戦後まもない香港で、故郷を捨てた台湾人たちがたくましく生き抜く姿を描き、一九五六年、外国人初の直木賞受賞作となった「香港」。日本統治と国民党の圧政のもと、ある台湾人青年が味わった挫折と虚無を主題とする「濁水渓」。著者の青春時代が結晶した代表作に、作家デビュー当時を回顧した随筆「私の見た日本の文壇」を増補した新版。〈解説〉東山彰良
第34回 強力伝

山岳小説に新境地を拓いた、著者の初期短編集
50貫(約187キロ)もの巨石を背負って白馬岳山頂に挑む山男を描いた処女作「強力(ごうりき)伝」(直木賞受賞)。富士山頂観測所の建設に生涯を捧げた一技師の物語「凍傷」。太平洋上の離島で孤独に耐えながら気象観測に励む人びとを描く「孤島」。明治35年1月、青森歩兵第五連隊の210名の兵が遭難した悲劇的雪中行軍を描く「八甲田山」。ほかに「おとし穴」「山犬物語」など全6編。
“山"を知り“雪"を“風"を知っている著者の傑作短編集。
第33回 受賞作なし
第32回 ボロ家の春秋

軽妙な語り口で市井の人びとの日常をユーモラスに描いた梅崎春生。直木賞を受賞した表題作ほか、「黒い花」「零子」など同賞の候補となった全四篇と、自作について綴った随筆を併せて収める。文庫オリジナル作品集。
〈巻末エッセイ〉野呂邦暢〈解説〉荻原魚雷
第32回 高安犬物語
中型の日本犬の中でも、猟犬としてもっともすぐれたまぼろしの犬と、旧制高校生時代の出会いをえがいた動物文学の傑作。
