「芥川賞」歴代受賞作品 一覧【2025年最新版】
公開日:2025/12/24
第49回 少年の橋
第49回(昭和38年度上半期) 芥川賞受賞
第49回 蟹

昭和20年9月21日、神戸・三宮駅構内で浮浪児の清太が死んだ。蚤だらけの腹巻きの中にあったドロップの缶。その缶を駅員が暗がりに投げると、栄養失調で死んだ4歳の妹、節子の白い骨がころげ、蛍があわただしくとびかった――。
浮浪児兄妹の餓死までを独自の文体で印象深く描いた『火垂るの墓』、そして『アメリカひじき』の直木賞受賞の2作をはじめ、著者の作家的原点を示す6編。
第48回 受賞作なし
第47回 美談の出発
第47回(昭和37年度上半期) 芥川賞受賞
第46回 鯨神

異様なまでの文学の迫力!
ただならぬ小説が、ここにある。
ジャンルも時代も超越し、人間と物語の根源に迫る圧巻の傑作群。今も謎めいた洋館で執筆し、時折ダンス夜会を開く作家の戦慄の短編がここに!
東京大学大学院在学中に「鯨神」で芥川賞を受賞する。日本の古典に精通した教養と強靭な感性、きらめく文才で次々と作品を発表。のちに、膨大なポルノ小説を執筆、このジャンルの巨匠として一世を風靡した……。本書に収録したのは、谷崎潤一郎の世界にも通じる官能的感性と深い知性が、秀抜な文章によって融合した名編ばかりである。
煙と客が充満するモツ焼き屋で、隣の男が語り出した話とは……典雅きわまる戦慄の表題作。巨鯨と人間の命のやりとりを神話にまで高めた芥川賞受賞作「鯨神」、すらりとした小麦色の脚が意外な結末を呼ぶ「花魁小桜の足」、村に現れた女祈禱師が引き起こす異様な事件「西洋祈りの女」、倒錯の哀しみが詩情を湛える「ズロース挽歌」、石汁地蔵の奇怪な物語「リソペディオンの呪い」。宇能文学の精髄6編を選んだ。(解説・篠田節子)
第45回 受賞作なし
第44回 忍ぶ川

兄姉は自殺・失踪し、暗い血の流れにおののきながらも、強いてたくましく生き抜こうとする大学生の“私”が、小料理屋につとめる哀しい宿命の娘・志乃にめぐり遭い、いたましい過去をいたわりあって結ばれる純愛の譜『忍ぶ川』。読むたびに心の中を清冽な水が流れるような甘美な流露感をたたえた芥川賞受賞作である。他に続編ともいうべき『初夜』『帰郷』『團欒』など6編を収める。
第43回 夜と霧の隅で

もう一つのアウシュヴィッツ――「安死術」。
ナチスの指令に抵抗する精神科医たちの苦悩と苦闘。芥川賞受賞作を含む、初期傑作5編。
第二次大戦末期、ナチスは不治の精神病者に安死術を施すことを決定した。その指令に抵抗して、不治の宣告から患者を救おうと、あらゆる治療を試み、ついに絶望的な脳手術まで行う精神科医たちの苦悩苦闘を描き、極限状況における人間の不安、矛盾を追究した芥川賞受賞の表題作。他に「岩尾根にて」「羽蟻のいる丘」等、透明な論理と香気を帯びた抒情が美しく融合した初期作品、全5編。
第42回 受賞作なし
第41回 山塔
第41回(昭和34年度上半期) 芥川賞受賞
