キングオブコント2025ファイナリストのトム・ブラウン布川。札幌出身だから目指したい、芸人としての最終目標とは?【布川ひろきインタビュー】

文芸・カルチャー

更新日:2025/10/11

トム・ブラウンの狂気的なネタ作りの根底にあるのは「お客さんからの反応」

――トム・ブラウンといえば狂気的なネタが魅力ですが、ネタ作りの中で特に意識しているポイントはありますか?

布川:とにかく「お客さんの反応」を意識しています。僕はネタの中で爆発することがあるんです。一般的にイメージされている爆発音は「ドカーン」だと思うんですけど、それだとウケが悪いので、「ブッブン」みたいな音にしてみたり。僕らの場合は、あまりデフォルメしない方がウケるのが分かったので、リアルに近い音になっています。

――そうした擬音の表現が大事になってくるのでしょうか?

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布川:そうなんです。僕らの場合は、そうした細かい表現で笑いの量がかなり変わるので、かなり気にしてネタ作りをしています。

――かなりお客さんの反応を参考に調整されてるんですね。

布川:僕は完全にお客さんの反応を見てますね。だから、「お客さんを無視して自分を貫いてすごい!」と言ってくれる人をたまに見かけるんですけど、実はまったくそんなことないっていう。

――M-1でも舞台の上からお客さんの反応を見ていて、男性はお腹抱えて笑ってたのに、女性は全然笑っていなかったと伺いました。

布川:そうですね。完全にそう。女性は「スンッ」とした顔をしていました。

M-1ラストイヤーを終え、キングオブコントへシフトするトム・ブラウン

――今後はキングオブコントにシフトしていくとのことですが、ネタの軸も漫才からコントにしていく予定なのでしょうか?

布川:そういうわけではないです。漫才も全然やります。この前も新ネタライブがあって、漫才も2本やりましたし、コントは3本やりました。そもそも、僕らが最初にやっていたのはコントなんです。

――トム・ブラウンは漫才のイメージの方が強かったです。

布川:これからは、漫才とコントの比率は半々ぐらいになるかもしれないですね。もちろん、漫才も新ネタを作っていくつもりです。

――今までのM-1に挑戦できる期間にも、キングオブコントに挑戦されていたのでしょうか?

布川:やってましたね。2年前までは普通に出ていたんですけど、 2022年のM-1で落ちたとき「これは漫才に集中しなきゃいけないぞ」と危機感を持って。だから、直近2年はエントリーしていなかったんです。

 だから、2023年の単独ライブは漫才だけにしようとしたんです。でも、みちおがコントをやりたいって言ってて。まあ、 結果的には漫才だけにした方が良かったので、自分の考えを改めてほしいですね。

――単独ライブもされていると思うのですが、単独ではキングオブコントに向けた調整が増えていくのでしょうか?

布川:そうですね。単独ライブでもやっていこうと思っています。もちろん、漫才は漫才でちゃんと力を入れていく予定です。

 去年、おぎやはぎさんとライブで一緒になったとき、そのネタが全然古くなかったことに驚いたんですよ。しかも新ネタで、それがめちゃくちゃ面白いっていう。高頻度で舞台で漫才をしているわけではないのに古くない新ネタをやるって、相当すごいことだと思うんです。僕にはそれができる自信がないので、舞台に出続けようと思っています。

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