連続テレビ小説「ばけばけ」で話題の俳優・板垣李光人、絵本作家デビュー! 初絵本『ボクのいろ』刊行記念イベントで「読み聞かせ」を披露
公開日:2025/12/4

俳優の板垣李光人が作・絵を手がけた絵本『ボクのいろ』(Gakken)が、2025年11月6日(木)にリリース。これに合わせて刊行記念の読み聞かせイベントが11月8日(土)に開催され、板垣本人が作品のポイントや制作秘話などを明かした。

板垣は2012年の俳優デビュー以降、映画『はたらく細胞』やドラマ『しあわせな結婚』などの話題作に次々出演。現在はNHK連続テレビ小説『ばけばけ』で雨清水三之丞役を好演しており、若手俳優の中でも特に注目を集める存在だ。
一方で、得意のイラストを活かした個展「愛と渇きと。」の開催やNFTアートの販売など、アートの分野においても幅広く活動している。今年3月には絵本投稿サイト「よみきかせキャンバス」のオフィシャルクリエイターに就任し、絵本の魅力を積極的に発信してきた。
そんな板垣が描き下ろした初の自作絵本『ボクのいろ』は、「よみきかせキャンバス」で公開されたデジタル作品に加筆修正し、書籍化したもの。自身が生み出したオリジナルキャラクター「ヌル」を中心に、あたたかな物語が展開していく。
ヌルは、真っ白なからだをもつ不思議な生き物。花に水をあげるのが大好きで、どんな色の花が咲くのかを楽しみに暮らしていたが、色とりどりの世界にいながら自分だけ色がないことを不思議に感じていた。ボクも色がほしい――。そんな思いを胸に、“自分の色”を探す旅が始まる。

鮮やかに広がる色彩と、愛くるしいヌルの姿が和やかな気持ちをもたらしてくれる『ボクのいろ』。リズム感のあるやさしい言葉によって紡がれる世界観は、子どもから大人まで幅広い世代が楽しめる一冊となっている。
先日行われた記念イベントでは、板垣本人が登壇し、読み聞かせを披露。ゆったりとしたテンポとあたたかみのある声色で、物語の一部を会場に届けた。さらにその後には質疑応答の時間が設けられ、参加者からの質問に答える形で作品の魅力や裏話が語られた。


まず絵本作家としてデビューした率直な感想を問われると、板垣は「まさか自分の肩書きに、絵本作家が加わる日が来るとは思っていなかった」と驚きを吐露。続けて「芸能界というか、他の役者さんでも持っていないような肩書きをいただけたことがすごく嬉しいですし、自分が書いた作品が自分の手元にもそうですし、いろんな方のお手元に届くんだなと思うと本当に喜びでいっぱいですね」と声を弾ませた。


また『ボクのいろ』のお気に入りページとしては、“赤い妖精”の登場シーンを挙げた板垣。そのページに込められたこだわりについては、「今回紙の媒体になるということで、やっぱり紙ってページを1枚1枚めくる時の高揚感だったりとか、ワクワクというものがやっぱり醍醐味だと思うので、あのページを開いたときにいかにすごく華やかに見せられるか、本当に花が開いたんだという風に感じさせるような、そういう華々しさを感じられるページにしたかった」と語っている。


ほかにも制作過程でもっとも苦労した点を問われた際には、「やっぱり絵本なので、ページをめくるたびに絵が連続して出てくるので、絵のアングルを寄ったり引いたり、ちょっと鏡越しに描いてみたり、真上から描いたり、絵にバリエーションを持たせるという点はすごく大変だったなと。いかに自分の引き出しを多く持てるかというところが鍵だったので…」と回顧。
そうした苦労を語りながらも、「でも大変だったのと同時に、そうやってまた自分の新しい引き出しを探していくという作業はすごく楽しい部分でもありましたね」と達成感を滲ませていた。

また本人のもとにはすでに多くの反響が届いているようで、「子どものもとに届いた絵本を読んでいる動画なんかを見たりして、それですごく実感が湧いて。小さい子が、自分が描いた絵と文章を読んでくれているというのが本当に嬉しくて…」と喜びも語っている。最後は「ぜひぜひ皆さんの力もお借りしてもっともっとたくさんの方々に届いたらいいなという風に思っております」と呼びかけ、締めくくった。

鮮やかな色彩とヌルの物語を通して、自分らしさとは何かをやさしく問いかける『ボクのいろ』。読み終えた後には、ありのままの自分を大切にしたくなるはず。そんな板垣の想いが宿るデビュー作を、ぜひその目で確認してほしい。
