「さっと煮」だけで野菜が想像以上に美味しくなる! 季節の味を簡単に味わう秘訣【作ってみた】
更新日:2018/9/20
記録的な猛暑が続き、はためく「冷し中華」の垂れ幕がまだまだ視覚的に恋しい日が続く。そうかと思えば室内は効きすぎた冷房で肌寒く、身体はすっかり夏バテ気味…そんな人は私以外にも多いのではないだろうか。 さっぱりしたものが食べたいけれども、実のところ、さっぱりしすぎたものでは物足りないし、毎日の栄養も少し気になるところだ。
本稿では、私が最近手に取った『さっと煮サラダ』(冷水希三子/グラフィック社)から、本書で謳う「さっと煮」のコンセプトと、私(アラフォー男子)でもすぐ試せるようなレシピをかいつまんで紹介したい。生野菜そのものよりもボリュームが減り、且つ旨みはぐっと増すというのが温サラダのメリットだ。単なる温野菜でなく、「さっと煮」と呼ぶところに、本書が推す旬の野菜を美味しく食べる秘訣があるらしいので、ぜひこれを会得したいところだ。
■コツその1 野菜の茹で方
レシピ共通の基本は、野菜の茹で方。誰でもお湯さえ沸かせばできるようなことだからこそ、コツが肝心。本書によると、さっとしか茹でないので“強火”で構わない。調理時間が短いので、多めの塩を入れてあっさりと下味を付けておくことも、最終的な減塩につながりそうだ。また、私が本書から学んだ新テクニックは、「茹でる前に野菜を水あげして元気にしておくこと」。生野菜のサラダで効果的な方法が、さっと煮でも有効らしい。ここまで野菜を可愛がると煮え湯に突っ込むのが不憫にも思えてくるが、美味しく食するためなので実践する。
■コツその2 野菜の冷まし方
さっと煮て茹で上がった野菜は、すぐ冷ます(面倒だと思ってはいけない)。広げて冷ますと、蒸気が飛ぶので茹でた野菜が水っぽくなるのを防げる。これは、酒の肴にと思ってせっかく作ったおひたしが水っぽかったりぬるかったりする失敗が多かった私にとって、応用範囲の広い有益なテクニックだ。
■コツその3 使い回しのきく簡単な合わせ調味料
ひと手間掛けてさっと煮した野菜たちは、そのまますぐ口に入れたくなるほど美味しそうだ。だがここで、いろいろなレシピに共通して使える自家製ドレッシングを準備しておくと、その日ごとに楽しめるサラダのバリエーションもぐっと広がるらしい。
暑い日に食べたくなるものから発想して、カレー風味のドレッシングを本書レシピに倣って作ってみることにした。
【カレーオイルの作り方】(詳しくは本書24ページ)
カルダモン、クローブ、クミンシード、コリアンダーシード、カレー粉をフライパンに入れて、弱火で香りが立つまで炒めたら火を止め、太白胡麻油とエクストラバージンオリーブオイルを加えて混ぜる。炒めものの仕上げやマリネ液にプラスしても活躍しそうな香ばしさだ。
■ここまでのコツを活用して、さっと煮サラダをささっと作ってみる
【トマトのさっと煮サラダの作り方】(詳しくは本書56ページ)
トマトは沸かしたお湯で5~10秒茹で、すぐ氷水につけて湯剥きする。別のボウルでプレーンヨーグルトとおろしにんにく、塩を混ぜ合わせておき、トマトにこのヨーグルト調味料と、前項で作っておいたカレーオイルを回しかけ、粗塩をぱぱっと振るだけで完成。

す、すごい…事前準備さえ整えておけば、カップラーメンの完成を待つ程度のスピードでさっと1品出来上がる。手早くても手間をきちんとかけて作った料理は、自分視点だが「大人の料理」の空気感をまとっており、自己満足にうっとり浸ることができそうだ。
野菜はさっと煮することで、口当たりが少しやさしくなり、ドレッシングや調味料は少量でも馴染みがぐんとよくなるため、素材そのものの味を豊かに楽しめるようになる。また、本書はどのページを開いても、目にも胃にも訴えかけてくる魅力的な料理写真とレシピ紹介ばかりだ。八百屋やスーパーで美味しそうな野菜に出遭ったら、これからは「さっと煮」することを考えてみたい。
文・料理=大庭 崇