戸田デザイン研究室のデザインの視点で見てみよう『どの色すき』 (戸田デザイン研究室)

文芸・カルチャー

公開日:2023/5/10

ロングセラー『あいうえおえほん』や『国旗のえほん』、『リングカード・シリーズ』を手がける戸田デザイン研究室。
一般的に出版社と聞くと、たくさんの作家さんの作品を出版しているイメージがあると思いますが、
私たちは企画、デザイン、編集、制作から自分たちで行う小さな会社です。

モットーは【心・人生を豊かにするようなモノづくり】。
デザインの持っているちからを信じ、出版の枠にとらわれないモノ・コトを発信しています。

そんな私たちの作品をデザインの視点で楽しんでいただく連載「デザインの視点で見てみよう」。
今回ご紹介するのは、色の美しさを伝える作品のひとつ『どの色すき』です。

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では、デザインを見てみましょう。

表紙からは淡いトーンの柔らかい作品というイメージが漂いますが、色が織り成すポエジーとファッションが持つ力に溢れた実にパワフルな作品!
ファッション誌を眺めるような楽しさもあります。

さらにコーディネートは小物づかいにまで及んできます。(しかも傘とは!ファッション上級者!)

色、ファッションを楽しむ心に性別も年齢もありません。

 

次第に子どもたちのファッション熱もヒートアップ。ここまでくるともう、やるしかありません…。
そう「ファッションショー」の時間です!

これがまた大人も参考になるようなコーディネート満載。
愛犬とのリンクコーデまで披露され みんな自信に溢れた堂々のウォーキングです。
見事なカメラ目線!ほとばしるランウェイ感。

 

自然の造形や美術作品など、色の美しさは様々な所で感じることができます。
もちろんファッションもそのひとつ。
 
そもそもファッション=装うことは、自分を表現すること。
贅沢を味わうためや周りの人と比較するためではなく、パーソナリティーを伝え 自信を持って楽しく過ごすための素敵な表現方法です。
 
そして色の美しさや組合せの効果、季節にあわせた色の選び方…。
色に対する豊かな感覚を持っていると、自分のスタイルを探す助けにもなり ファッションはもっと楽しくなります。
 
 
色彩感覚を大切にし、身につけるものにも自分なりのこだわりがあったと言う 作者とだこうしろう。
作品の中で繰り返し用いられる「どの色すき?」のフレーズには、色を楽しみ 自分らしい装いを見つけて欲しい…。
そんな願いが込められているようにも思います。

 

どの色すき

作・絵:とだ こうしろう

どのくみあわせが好きかな?
トマトのようなまっかなスカートにどの色が合うかしら?っていろんな色の服が出てきます。あとは青いズボンや真っ赤な帽子など読んでいる子に「どの色が合うかしら?どの色の組み合わせが好き?」って聞いているのよ。最後にはいろんな服を着た子供がページいっぱいに出てきます。今、3歳の娘は幼稚園に着ていく服も「この服イヤ。あの服がいい」って自分で決めるのが好き。だからこの絵本は今の娘にちょうどあう絵本だと思いました。
( たまっこさん 30代・愛知県名古屋市  男6歳、女3歳)

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