『ごきげんななめな おさるさん』を読んで自分の気持ちをまるっと認められたら、気持ちも軽くなる?<ブランニュープラチナブック>

文芸・カルチャー

公開日:2023/6/3

イライラごきげんななめな気持ちに奮闘するジムはまるで自分を見ているよう

ごきげんななめな おさるさん

作:スザンヌ・ラング絵:マックス・ラング訳:ひさやま たいち

みどころ

朝、目がさめると……。

ジム・パンジーは、なにもかもが気に入らないことに気づきます。こんなに素晴らしく晴れた日なのに! おひさまは照りすぎるし、空はあおすぎる。バナナは甘すぎるし、友だちは心配してくれる。モヤモヤ、イライラ。どうなってんだ?

「たぶんきみは、ごきげんななめなんだよ」

ジャングルの仲間たちは、ジムの気分をかえてやろうと、色々な楽しい遊びに誘います。歌ったり、ブランコしたり、土の上で転げまわったり。散歩したり、寝っころがったり、あしぶみしたり。水遊びしたり、笑ったり、おふろに入ったり。なんて素敵な仲間たちなのでしょう。でも、しかめっつらしたジムは言うのです。

「きげんわるくなんて、ない!」

だけど、一人になったジムは……。

そうだよね。どんなに天気がよくたって、どんなに友だちが優しくたって、「ごきげんななめ」になってしまう日はあるものです。自分ではコントロールできないからこそ困ったものです。それでも、素直に奮闘するジムの姿はとても愛らしくて、ちょっと可笑しくて、どこかで見たことあるような? 自分の姿にほんのり重ね合わせながらも、思いっきり楽しんで読んでくださいね。

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レビューのご紹介

まあそんな日もあるか

子どもたちも不機嫌の波がやってくることがあります。そう、ジムのように。お天気がいい?周りがなんとかしようとする?そんなの関係ない! いやそもそも不機嫌じゃない! …そしてそれに振り回されている私。
この本を読むと、そんな日もあるよね?! と気持ちが軽くなりました。そして、子どもたちにも是非手に取ってほしいなと思いました。

(じゃすさん)

自分も悪かった、という見落としがちな大事なこと

まず最初のページから色合いが素敵です。そんな素敵な色彩の世界とは対照的になにやら不機嫌そうなジムの表情が印象深く、どんな物語が繰り広げられるのだろうとワクワクしながらページを進めました。
娘もこの本は「絵が好き!」と力強く答えていました。

中盤あたり、友達に指摘された猫背や眉間のシワを無理矢理解消して「ほら、ジムはしあわせそうにみえます」なんてページがこれまた印象的。
娘に「どう?幸せそう?」と聞いたら「う~~~ん?」と返事に困っていました。笑
姿勢よく、眉間のシワもなく、笑顔を作ってはいますがどこかぎこちない、なんとも絶妙な表情です。

終盤の、きげんよくなるようにと色々提案してくれたみんなに対してだけでなく、きげんが悪いという感情に向き合わなかった自分に対しても「悪かった」と感じるジムにはハッとさせられました。
今日はきげん悪くなりたかったんだ、そんな風に自分の気持ちをまるっと認めることの大切さを実にさりげなく示してくれて、これは是非いろんな人に読んでもらいたい!と感じました。
比較的短くて読みやすくシンプルながらも、大人も忘れがちな大事なことを教えてくれる一冊でした。

(たちばなさん)

ごきげんななめな おさるさん

作:スザンヌ・ラング絵:マックス・ラング訳:ひさやま たいち

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