<連載③>土の力、根っこの力――『14ひきのやまいも』(童心社)

文芸・カルチャー

公開日:2023/6/3

おかげさまで今年40年という節目をむかえる「14ひきのシリーズ」。
毎月1作ずつご紹介する連載企画、第3回です。

『14ひきのひっこし』『14ひきのあさごはん』刊行の翌年、1984年に『14ひきのやまいも』が出版されました。

14ひきのやまいも

advertisement

作・絵:いわむら かずお

出版社からの内容紹介

森の秋は実りの秋。おじいさんを先頭に、みんなで山いもほり。とろろごはんに、むかごもいっぱい、14ひきのおいしいゆうごはん。

14ひきのひっこし

作・絵:いわむら かずお

14ひきのあさごはん

作:いわむら かずお

『14ひきのやまいも』(いわむらかずお・さく)

こちらの絵本は、秋の森で、14ひきが力をあわせて大きな大きなやまいもをほるおはなし。
丹念に描きこまれた美しい風景、おいもほりの楽しさが画面いっぱいに広がります。

この作品でいわむらかずおさんは、「土の力、植物の力、根っこの力――生命を描きたかった」と語っています。
いわむらかずおさんご自身、やまいもでつくるとろろが大好きなんだそう。
戦後、疎開先から東京へ戻りふたたび家族で暮らせるようになったころ、「麦とろ」がごちそうだった、といわむらさん。
お父さんがとろろをするときに、すりばちをおさえる手伝いをしたことをよく憶えていると、話してくださいました。

やまいもをもちかえった14ひき。
家族みんなで食事を準備する姿も描かれています。

あわせて読みたい