この村に、10年ぶりの……『ほしまつりがやってくる!』 【NEXTプラチナブック】

文芸・カルチャー

公開日:2023/7/2

絵本ナビがおすすめする「NEXTプラチナブック」(2023年5月選定)から、ご紹介する一冊はこちら!

ちいさな村にやってきた、10年ぶりのほしまつり。みんな、はりきって準備を始めます。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するの絵本は、『ほしまつりがやってくる!』。ほしまつりって、なんでしょう? どうしてみんな、喜んでいるのでしょう?

NEXTプラチナブックとは…?

絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。

そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。

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この村に、10年ぶりの……『ほしまつりがやってくる!』

ほしまつりがやってくる!

作:杉田 比呂美

みどころ

「一週間後の天気は晴れ!
 予定通り、ほしまつりを開催します。」

なにしろ10年ぶりの「ほしまつり」。村のみんなは、はりきって準備を始めます。衣装をつくって、ダンスの練習をして、あかりの準備もぬかりなく。ほかほかスープにほしがたパン、みんな喜んでくれるかな。ほしまつり、ほしまつり、わくわくするねえ。

村長さんの合図で、おまつりはスタート。たくさんの人がやってきます。音楽が流れ、ダンスをして、おやつを食べて、広場は大盛況。少しくらい食べすぎたって、怒られませんよ。10年に一度のおまつりなのです。夜が更けた頃、村長さんは言います。

「みなさん、いよいよ”ほんとうの”ほしまつりが始ります。」

ほんとうのほしまつりって……?

ようやくこの日がやってくる。待ちに待ったおまつりの日。

みんなで集まって、おしゃべりしたり、騒いだり。今日は同じ場所で同じ空を見上げる大切な日。作者の杉田比呂美さんがていねいに描くのは、その日に向かって淡々と準備をしているようにも見える人たち。それでも一人一人の表情からは、じわじわとしっかりその喜びが伝わってきます。

そして、みんなが一斉に目にしたのは? 忘れられないこの時間、忘れられないこの光景。いつかまた次に開催されるその日まで、きっとずっとみんなの心に残っていることでしょうね。

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編集長のおすすめポイントは……

みんなで浮かれて

子どもはもちろん、大人だって、たまには浮かれてもいいんです。そしてその時間を、思いっきり堪能すればいいのです。だって、ずっと待っていたのはこの瞬間なんですから。そうやって、みんなが同じ気持ち、同じ目的で何日も過ごすって、そんなにあることじゃありませんよね。人がわくわくしている様子って、見ているだけでも嬉しくなってくるもの。そういう様子も含めて、子どもたちにとって大切な日なのです。そして、またいつの日か。

磯崎 園子(いそざき そのこ)

絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。

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