今、絵本ナビユーザーに最も人気のある絵本は? 人気作品30冊ご紹介!(2023年7月認定)【プラチナブック】

文芸・カルチャー

公開日:2023/7/27

今、絵本ナビユーザーに最も人気のある絵本はどんな作品なのでしょう。2023年7月時点での上位30作品をご紹介します!

絵本ナビユーザーが選ぶ「とびきりの人気絵本」とは?

絵本ナビに掲載されている作品は10万冊近くあります。その中からどんな絵本を選んだらいいのか、情報が多すぎて分からなくなってしまうという方もいらっしゃいますよね。

そこで絵本ナビでは、寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された絵本を「プラチナブック」として認定、とびきりの人気作品としてご案内しています。その中から上位30作品(2023年7月認定)をご紹介したいと思います。多くのユーザーの方から親しまれている作品は……? 絵本選びの参考にしてみてくださいね。

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絵本ナビ プラチナブック TOP30 1位~3位

1位 『もこ もこもこ』

もこ もこもこ

作:谷川 俊太郎 絵:元永 定正

みどころ

はじまりは「しーん」と静か。
やがて、「もこ」。地面の一部が盛り上がり。
「もこもこ」、それは大きくなり、隣には「にょき」っと新たにちいさな盛り上がり。
ページをめくるごとに次々に起こる驚きの展開。
それらはどんどん大きく膨れ上がり……そして最後には!?

まったく不思議な絵本です。出てくる言葉は「もこ」「にょき」「ぽろり」と奇妙な擬音ばかり。色や形だって……この絵本を開いて頭にハテナを浮かべながらも、そのまま声に出して読み続けていると、横で赤ちゃんが、子どもたちが喜んでいる。どうやら、知らぬ間にこの絵本の世界に引き込まれて夢中になっているようなのです!

何だかわからないけれど喜ぶからと毎日続けて読むうちに、大人だって楽しくなって、自由テキトウ、自己流に読み始める。その頃には赤ちゃんの方も「もこもこ」とか「ぱちん!」って言うだけで、キャッキャするようになって。そのうち今度は子どもに読んでもらえるようになったりして。

詩人谷川俊太郎さんと画家元永定正さんがおりなす異色ながらも傑作と言われるこの絵本。つまり、そのくらい親子に愛読され続けているんです。まだ経験していない方は、ためしに手にとってみてくださいね。

読者の声より

言葉の響きも子どもにヒット!片言が話せるようになってからは、子どもも自分から声を出して読んでます。内容もさることながら、大事なのは「カバー」!
我が息子は、表紙を開けて、カバーを剥いで「おらん…」
そして最後まで読み進めて、またまたカバーをめくって「おった!」

最後のページの“もこ”が丁度カバーに隠れている絶妙さにヒット!なんです。ハマってた時は、最初のページと最後のページしか読まない事もありました(笑)是非とも、カバーを外さずに読み進めて、お子さんの反応・発見を楽しんで欲しいです。
(コータンママさん 30代 ・ママ 男の子1歳)

2位 『おつきさまこんばんは』

おつきさまこんばんは

作:林 明子

みどころ

濃い紺色の夕闇の中で、三角屋根のおうちにあかりがつきます。
屋根の上に1匹、下に1匹のねこのシルエット。
「よるになったよ ほら おそらが くらい くらい」
「おや やねのうえが あかるくなった」
「おつきさまだ」
だんだん姿をあらわす、黄色くかがやくおつきさま。
もう1匹のねこも屋根にかけあがり、2匹の影はおつきさまを見あげます。
「おつきさま こんばんは」

目をふせて屋根の上に顔を半分だした、おつきさまの「いいおかお」といったら。小さな絵本のまんなかに、本当に月がのぼったようです。読んであげると、ページをめくるたびに、幼い子がいきいきと反応することにおどろきます。

雲に遮られおつきさまが泣きそうな顔をすれば、子どもも心配そう。雲がいってしまえば、あーよかったとほっとします。子どもは胸をときめかせて、おつきさまをながめ、「こんばんは」をするのでしょう。

今宵もまた、夜空を見あげれば、おつきさまに会える幸せ。「こんばんは」「こんばんは」って互いにごあいさつする幸せ。1986年発売以来、たくさんの子どもたちに支持されてきた本。林明子さんの傑作の一つに数えられるあかちゃん絵本です。裏表紙もかわいいですよ。

読者の声より

おつきさまがでてくる絵本です。もちろん赤ちゃん絵本なのでとっても簡単な内容なんです。言葉もほとんどしゃべらない赤ちゃんがこぞって、「こんばんわ」の部分で頭をさげるんです。おつきさまが笑えば笑うし、悲しい顔になると悲しくなる、赤ちゃんがお月様になりきっているのかな。
(アダナハハニワさん 30代・ママ  女の子6歳、男の子4歳、女の子2歳)

3位『しろくまちゃんのほっとけーき』

しろくまちゃんのほっとけーき

作:わかやま けん

みどころ

まあるくて、大きくて、ふわっふわのほっとけーき。
焼きたてほかほかのほっとけーき。
おともだちと一緒に食べるほっとけーき。

子どもたちはほっとけーきが大好きです。
もちろん「おいしいから」。
でも、こんなにみんなが大好きなのは、それだけじゃないのでしょうね。

誕生から40年以上も経つロングセラー絵本『しろくまちゃんのほっとけーき』には、大好きな理由がたくさんつまっています。例えば……

お手伝いをしながらほっとけーきを作る喜び。
(調理器具を並べるだけでもワクワクしちゃいます)
ほっとけーきが完成していく様子をみる喜び。
(ぽたあん どろどろ ぴちぴちぴち ぷつぷつ…音を聞いているだけでツバが出てきちゃいそう)
そして、「おいしい」をおともだちと共有する喜び。
(自分でつくったことをほめてもらったりしてね)

鮮やかな「オレンジ」を基調とした色で描かれた数々の名場面は、子どもたちの心に強烈に印象に残っていき、大人になってもそのワクワクの気持ちが色褪せることはありません。

「子どもがはじめて出会う絵本」「子どもがはじめて出会うおともだち」、そんな絵本をつくりたいと大人たちが真剣に考えながらつくった「こぐまちゃん」シリーズ。その願いの通り、今もずっとこぐまちゃんは子どもたちのおともだちです。

読者の声より

生後半年ぐらいからずっと読み聞かせをしています。現在2歳1ヶ月の娘はすっかり暗記してしまい「ママに読んで」と言うと、つたない言葉でところどころ思い出しながら「ぼーる、そろえました。どろどろ、ぷつぷつ、めしあがれ!」と読んでくれます。
ホットケーキが焼けるページはリズム感があって大好き!実際に家でホットケーキを焼く時も娘に見せて「こぐまちゃんのホットケーキと一緒ね」と言いながら焼いています。お手伝いをしてくれる日も近いかも…。
(珍獣あやノンのママさん 30代・ママ 女の子2歳)

4位~10位

4位 にげたきんぎょは、どこ? 『きんぎょがにげた』

きんぎょがにげた

作:五味 太郎

みどころ

…あ、きんぎょがにげた! いったいどこに逃げたのでしょう。どうやら、お部屋のカーテンの模様に隠れているみたい!? 見つけたと思ったら、また逃げ出したよ。

小さな子どもたちから絶大な人気を誇るこの絵本。大好きな探し遊びであるのはもちろんのこと、カラフルなお部屋と愛らしい形をしたきんぎょ、そしてわかりやすい場面転換に引っ張っていってもらいながら、すっかり夢中になってしまうのです。嬉しそうに指をさす様子が目に浮かびますね。

0歳の頃から、何年も繰り返し読み続けている子が多いというこの作品『きんぎょがにげた』は、なんと発売から40年も経つ、五味太郎さんの代表作の一つ。大人になったって、ページを開く度にため息が出るような、決して飽きることのない美しい絵本なのです。

5位 こんな時間におきてるのだれだ?『ねないこだれだ』

ねないこ だれだ

作・絵:せな けいこ

みどころ

時計が9時を指して鳴ります。ボン、ボン、ボン…。
「こんな じかんに おきてるのは だれだ?」
ふくろうにみみずく、どらねこ、それともどろぼう?
いえ、いえ、夜中に起きているのは……おばけ!
おばけの時間です。

あれあれ、こんな時間に起きている女の子がいましたよ。
夜中はおばけの時間のはず、いったいどうなっちゃうのでしょう?

ママやパパの子どもの頃からずっと読まれ続けている、せなけいこさんの傑作絵本。
「怖いけど、好き」
この感情こそ、絵本が永遠に愛され続けている最大のポイントなのかもしれませんね。

6位 ページをめくれば、みんなが笑ってしまう!『だるまさんが』

だるまさんが

作:かがくい ひろし

みどころ

「だ る ま さ ん が」「どてっ」。ページをめくれば、そのまあるい体が、かけ声と共にゆらゆら揺れ出して……ころんじゃった!! 今度は……「ぷしゅーっ」。あれ、ぺっちゃんこになった!?

0歳の赤ちゃんから大人まで笑ってしまうと、発売以来ずっと多くの読者を喜ばせ続けているこの絵本。柔らかそうな丸くて赤いかたまりが、伸びたり縮んだり、転んだり。目をつぶったり、開いたり、笑ったり。おまけに「ぷっ」とする。だるまさんっていう名前なんて知らない小さな子でも惹きつけられてしまっているのが、その反応を見ているだけでわかります。呼びかけるような言葉のリズムも声に出してみれば独特な「間」をつくってくれて、誰が読んだって笑っちゃうのです。

ユーモラスだけれど、どこまでも優しさを感じる表情。動きの愛らしさ。だるまさんが転ぶだけじゃない、という意外性。自然とスキンシップを取りながら読んでしまうこと。読んであげる大人の方が先に笑ってしまうこと。…それらが全部、この絵本が愛される要素になっているんですよね。

7位 はじめて出会う絵本『じゃあじゃあびりびり』

じゃあじゃあびりびり

作:まつい のりこ

みどころ

あかちゃんの「最初の本」として大人気!
「じどうしゃ ぶーぶーぶーぶー」
「いぬ わん わん わん わん」
「みず じゃあ じゃあ じゃあ」
「かみ びり びり びり びり びり びり」
真っ赤でコンパクトなサイズに、たくさんの“音”が詰まっています。

1つの見開きページに、1つの音。シンプルで目をひく絵はもちろん、文字の配置場所もたのしい。たとえば、かみびりびり……のページは、ほんとに「びりびり」と裂けた紙の形に似た配置。文字と絵の効果で、まるで絵がうごきだしそうに見えます。

赤ちゃんがかじっても放り投げても安心の厚紙絵本。ママやパパの声でくりかえし読んでもらえる喜びを味わうことのできる絵本です。

8位 赤ちゃんに語りかけるように…『いないいないばあ』

いないいないばあ

文:松谷 みよ子 絵:瀬川 康男

みどころ

「いない いない ばあ」
「にゃあにゃが ほらほら いない いない…」
ページをめくれば、おめめぱっちりのにゃあにゃが
「ばあ」。
次はくまさんが、ネズミさんが、キツネさんも。
そして最後にはのんちゃんも「いない いない ばあ。」

何回もめくってみてわかる、赤ちゃんが喜ぶ絵本のつくり。声に出してわかる、その響きの優しさ。その安定した笑顔の繰り返しがこの絵本の一番の魅力です。赤ちゃんとのコミュニケーションに、きっと役に立ってくれるはず!

9位 忘れることのない「あの頃」の気持ち…『こんとあき』

こんとあき

作:林 明子

みどころ

遠く離れた「さきゅうまち」に住むおばあちゃんに頼まれて、あきのお守りにやってきた、ぬいぐるみのこん。あきを見守り、遊び相手としても大活躍のこん。

だけど古くなるにつれ、腕がほころんでしまいます。そこでこんは、おばあちゃんに直してもらおうと、こんはあきを連れ、きしゃに乗って出かけます。ところが次から次へとハプニングが起き、読んでいる方もハラハラ。無事におばあちゃんのところまでたどり着けるのでしょうか?

絵本全体を通して感じるのは、二人を見守る家族の大きな愛情と、作者の優しい眼差しです。大人になっても忘れることのない「あの頃」の気持ち。絵本を開く度に思い出させてくれる1冊でもあります。

10位 この世で一番好きなのは、お料理すること、食べること。『ぐりとぐら』

ぐりとぐら

作:中川 李枝子 絵:大村 百合子

みどころ

「ぼくらの なまえは ぐりとぐら
 このよで いちばん すきなのは
 おりょうりすること たべること
 ぐり ぐら ぐり ぐら」

今日も大きなかごを持って、森の奥へ出かけます。どんぐりやくりを拾った後、道の真ん中に落ちていたのは…大きなたまご!さあ、何をつくろうか。

焼きあがったかすてらの場面、その美味しそうなこと!!1963年に「ぐりとぐら」が生まれて以来、その黄色いかすてらは、昔から今もずっと子どもたちの憧れですよね。

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