こんなコミュニケーションの形があったなんて! 『ぷっくり ぽっこり』 【NEXTプラチナブック】

文芸・カルチャー

公開日:2023/10/6

絵本ナビがおすすめする「NEXTプラチナブック」(2023年8月選定)から、ご紹介する一冊はこちら!

おや? 絵本の真ん中に小さな穴がありますよ。ためしに指をおしつけてみると……? 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するの絵本は、『ぷっくり ぽっこり』。シンプルだけどあたらしい、新感覚の赤ちゃん絵本。どんな内容なのでしょう?

NEXTプラチナブックとは…?

絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。

そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。

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ぷっくり ぽっこり

作:中村 至男

みどころ

手のひらサイズの小さな絵本。開けばおひさまやりんごさんやおにぎりが笑いかけてくれています。おや? 真ん中に小さな穴がありますよ。ためしに指をおしつけてみると……?

「ぷっくり」「ぽっこり」

絵本の中に立体的な小さな突起が登場しましたよ。まるでお鼻みたいな「ぷっくり」、「ぽっこり」おかおに大変身。とたんに生き生きと「ぶーぶー」「きらきら」、こちらに話しかけてきます。なんだか自分の指じゃないみたい。さわってみればどんな感触?

真っ青な空に登場するのは、おひさまにくもさん。
「ぷっくり」

さらに、みかんやりんご。
「ぽっこり」
なんだか馴染みのあるおかおばかりですね。

手のひらサイズの小さな絵本。
そのおかおの中心には小さな穴があいています。

思わず、うしろから指をぎゅっとおしつけてみます。
すると……?

「ぷっくり」!
まるで本物のお鼻みたい。
ちょっとだけ飛びだしているのが、ポイント。
だって、こんな可愛らしいお鼻を見つけたら……

さわりたくなるってものです。なんて可愛らしい絵本なのでしょう。この不思議な形に、きっと赤ちゃんも興味津々。小さな指でさわってきゃっきゃと喜ぶ様子が目に浮かびますね。

絵本を通して指と指がふれあう、新しい感覚の赤ちゃん絵本。こんなコミュニケーションの形があったなんて、発見です。軽くて丈夫、開きやすくて、しかけも安全。デザインや装丁だって力抜きません。シンプルなのにいつも驚かせてくれる中村至男さんの作品の魅力がぎゅっと凝縮された一冊ですね。

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編集長のおすすめポイントは……

小さな可愛い指にふれる瞬間の喜びは…

「赤ちゃんにとって、絵本ってなんだろう?」そんな疑問に対する、ひとつの答えとして存在しているようなこの絵本。手に取りたくなる大きさ、目に楽しいカラフルな色彩、笑いかけてくれるたくさんの笑顔、不思議な言葉、そして驚きの触感! 夢中になってしまうのも納得です。それはおかあさんやおとうさんにとっても同じです。小さな可愛い指にふれる瞬間の喜びは、何度だって味わいたくなるものです。毎日の絵本時間を楽しんでくださいね。

磯崎 園子(いそざき そのこ)

絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。

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