芸術の秋を楽しむ絵本(2023年10月 新刊&おすすめ絵本)

文芸・カルチャー

公開日:2023/10/24

日本で「芸術の秋」がうたわれるようになったのは、大正時代からだとか。大きな美術の展覧会が開かれるのも秋が多いのだそうです。秋ならではの彩り豊かな実りや自然の美しさも、芸術を楽しむ心をかき立ててくれるような気がします。

音楽、映画、絵画、ダンスや演劇……ひとことで「芸術」といってもその幅はとても広い! さらに絵本の中では、いろいろな変わり種の芸術が登場します。建築家のねずみが設計した想像力&創造力あふれる魅力的な家、妖怪美術館の展覧会に飾られている奇想天外な作品の数々……「あそび心」も芸術の大切な要素になっているみたいですね。 美しい音楽を奏でるオーケストラの舞台裏を描いた絵本、世界最高峰のピアノができるまでの工程を追った一冊など、視点を変えて芸術にアプローチする本は、大人のみなさんにこそ楽しんでいただきたい!

きっと初体験の「芸術」にも出会える今回のラインナップ、答えがないからこそ無限に楽しめる芸術の世界を、たっぷりとご鑑賞ください。

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『どんないえにすみたい?』動物たちの希望をかなえるために建築家のねずみ・ヘンリエッタが設計した家は、アイデアとこだわりがいっぱい!

どんな いえに すみたい?

作:ジョージ・メンドーサ 絵:ドリス・スーザン・スミス 訳:木坂涼

みどころ

ねずみのヘンリエッタは建築家。設計から内装、家具デザインまで、お客様が望む以上の仕事をして、みんなを満足させています。そのヘンリエッタが、りす、もぐら、いもむし、かわうそなど、動物たちのために建てた15のすてきなお家を、のぞきに行ってみましょう!

「寝転べる場所がほしい」というねこのお家は日本家屋。お部屋の周りに縁側が張り巡らされていて、そこで釣りも楽しめます。ぜいたくなことに、日本庭園風の中には枯山水も作られていて、家主のねこはたこあげでリラックス。
動物たちのライフスタイルにあった工夫もたっぷり。「朝から晩まで太陽と一緒の家」とオーダーしたとかげのお家は、ガラス張りのサンルームが屋上に。なるほど、これなら寝転がって読書を楽しむにはうってつけです。

こんな風に、家具や部屋の配置、道具類など、細部も描かれた絵には、みどころがいっぱい。建物の断面図は、地中や洞穴などを土地を上手に利用して家が建てられていることや、繭や塔などの個性的な外観だけでなく、家の中の様子が一目瞭然。絵だからこそ見渡せる光景です。最後は、ヘンリエッタ自身のお家も登場。建築家のお家にはどんなこだわりがあるのか、絵本を読んで確かめてみてくださいね。

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それぞれにシャワーを浴び、身なりを整えた105人の男女。彼らが向かう先は……美しい音楽を奏でるオーケストラの秘密『105にんのすてきなしごと』

105にんのすてきなしごと

文:カーラ・カスキン 絵:マーク・シーモント 訳:なかがわちひろ

出版社からの内容紹介

105の心をひとつに合わせ、流れ出すのは……。すてきな仕事を始める前の大切な準備。
みんなの知らない時間を、こっそりお見せします。美しい音楽のヒミツがわかる楽しい絵本。

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楽団の中でセロの演奏が上達しないゴーシュ。ある夜、練習中に訪れたのは……宮沢賢治の童話世界を英語でも楽しめる『英日CD付2ヶ国語絵本 セロ弾きのゴーシュ GAUCHE THE CELLIST』

英日CD付2ヶ国語絵本 セロ弾きのゴーシュ GAUCHE THE CELLIST

原作:宮沢賢治 絵:司修 英語訳:ロジャー・パルバース

出版社からの内容紹介

ゴーシュは町の活動写真館でセロを弾く係りでしたが,いつもその演奏について注意を受けています。ある夜,粗末なわが家で必死にセロの練習をしていると,大きな三毛猫がやってきて…。

「英語・日本語が交互」に掲載されている絵本に,「英語・日本語一文ずつ交互に収録したCD」がついています。
こどもが初めて英語の物語に出会う時、英語だけではなかなか楽しめません。
日本語の語りが助けとなり、英語物語の世界へ自然と引き込まれていきます。

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『妖怪美術館』の展覧会はお客さんたちに大盛況!すると突然、作品の中から女の子が飛び出して!? 人気「広瀬克也の妖怪」シリーズ

妖怪美術館

作:広瀬克也

出版社からの内容紹介

妖怪横丁の妖怪たちが並んでいるのは、妖怪美術館。
今日はガンマー画伯の展覧会。オドロキの作品の数々。
ところが、絵から飛び出してきた女の子に男の子はぼうしをとられてしまいます!
展示会場に見え隠れするぼうしを探しながら読むのも楽しい一冊です。

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案内役は大好きなペネロペ! パズル遊びを交えながら小さい子もじっくりと名画鑑賞を楽しめる一冊『考える力を育てるパズル絵本 ペネロペと名画をみよう』

考える力を育てるパズル絵本 ペネロペと名画をみよう

監修:稲庭彩和子

出版社からの内容紹介

幼いころから本物を見せよう!
名画を見せることで刺激を与え、感性を磨きます。
パズル遊びをすることで、名画をじっくり見ることができ、集中力・考える力を育てます。

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「小学館の図鑑NEO」シリーズの中でも話題沸騰! 世界の名画約360点が掲載、絵画を自由に楽しく鑑賞するポイントを紐解く『小学館の図鑑NEOアート 図解 はじめての絵画』

小学館の図鑑NEOアート 図解 はじめての絵画

監修:青柳正規

出版社からの内容紹介

NEOから生まれた、絵の見方が分かる図鑑

「小学館の図鑑NEO」から新シリーズ「小学館の図鑑NEOアート」が登場!
絵画にはじめて触れる子どもたちに向けて、絵の見方をわかりやすく、楽しくひもときます。

【世界の名画約360点掲載】
子どものうちに見ておきたい、日本と世界の名画約360点を掲載。世界トップ水準の印刷技術で、名画がもたらす感動を伝えます。

【子どもが興味をもつテーマで鑑賞】
見開きごとに、動物、モンスター、クイズ形式など、子どもの興味をひくテーマで名画を紹介。時代や作者にとらわれない、自由で楽しい絵画の見方を学べます。

【鑑賞ポイントがひと目でわかる】
注目すべき部分を拡大したり、イラストで図解したり。解説を読まなくても、鑑賞のポイントがひと目でわかります。

【絵を見るのが楽しくなる全5章立て】
第1章「「何が描かれているか」、第2章「どのように表現されているか」では、絵に何が、どのように描かれているのか探ります。第3章「絵画をもっとよく知ろう」では、絵を描くとき、見るときの約束事をわかりやすく伝えます。さらに第4章「素材と技法」では画材や技法について、第5章「美術館に行こう」では美術館の役割を紹介します。

【編集担当からのおすすめ情報】
絵画は、おえかきが大好きな幼児期、絵を描くことで自分の思考や感情を伝えることができると気がつく小学生の子どもにとって、非常に身近な存在です。先入観をもたず自由に絵画を見て楽しむことができる子どもたちのために、たくさんの絵画を美しい図版で鑑賞できる本を作ろうという想いが、本書の出発点であり基本方針です。できるだけ多くの絵画を、できるだけ大きなサイズで載せました。この本で、絵画を見ることのすばらしさを味わってください!

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世界最高峰といわれるスタンウェイ社製のピアノ。熟練の職人の手によって精巧に作られる工程が美しく描かれた『88keys・スタインウェイピアノができるまで』

88keys・スタインウェイピアノができるまで

著:マイルズ・チェイピン 画:ロディカ・プレイトー 訳:川口桃永、吉上恭太

出版社からの内容紹介

人の手でつくられる世界で最も複雑な機械装置、ピアノ。その最高水準を誇るスタインウェイの木材選びから整音の工程まで、詳しく紹介します。

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【動画公開中】感じる 考える わたしの一冊 絵本・児童書22選

文:竹原雅子 編集:木村春子

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