笠松将さんが選んだ1冊は?「“できないこと”があるのが嫌。だからこの本で、毎日勉強してます」

あの人と本の話 and more

公開日:2022/12/15

笠松将さん

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、笠松将さん。

(取材・文=イガラシダイ 写真=山口宏之)

 実力派俳優として注目されている笠松さんが選んだのは『速読英単語 入門編』。本企画ではあまり見られないチョイスにやや面食らっていると、笠松さんは真剣な眼差しで言う。

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「毎日、英語の勉強しているんです。読む、書く、聞く、喋る。でも、正直めちゃくちゃ大変で。特に喋るのが苦手だから、英会話のレッスンで疲れたあとに読むと癒やされるんです。文化や歴史をテーマにした例文そのものが面白くて、読んじゃう」

 英語漬けになったのは、日米共同制作のドラマ『TOKYO VICE』に出演したことも関係している。現場で楽しそうに話している海外キャストの姿を見て、英語がわからないことに寂しさを抱いたという。

「一緒にいるのに会話を理解できないって、寂しいじゃないですか。だからせめて、なにを話しているのかくらいは把握できるようになりたくて。そもそも自分に“できないこと”があるのが嫌なんです。だから真剣に努力する。“できないこと”があるとそうやって頑張れるから、良いんですよ」

 誰よりも自分自身に負けたくないから、全力でぶつかっていく。笠松さんのその姿勢は、もちろん役者としての仕事にも表れている。この年末に独占配信がスタートするドラマ『ガンニバル』にも出演が決まった。衝撃的なサイコスリラーである本作は、映像化が報じられたときに大きな話題を集めたことも記憶に新しい。

「オファーをいただいて原作を読んだ瞬間、『絶対に出たい!』と思いました。物語にスピード感があって、少しずつ謎が解けていくのが本当に面白かった。その時点ではまだ最終巻が出ていなかったんですけど、どうしても読みたくてプロデューサーに相談してみちゃいました(笑)」

 物語の舞台となるのは、山間にある供花村。笠松さんが演じるのは、村を代々支配してきた一族の次期当主である、後藤恵介だ。

「彼は葛藤を抱えながらも、重要な選択をしなければいけない立場にいる。その姿が非常にクールに感じられて、演じてみたいと思いました。ただ、とても難しかったですね。恵介はいろんなしがらみがあるなかで、やらなきゃいけないことを理解している。その結果、村がどうなるかもわかっているから葛藤していて。それをどう表現するのか悩みました。でも、恵介を演じられて良かった。だから多くの方々に観ていただきたいです。最高のエンタメになっていると思います!」

ヘアメイク:MIZUHO(VITAMINS) スタイリスト:Keisuke Shibahara

かさまつ・しょう●1992年11月4日、愛知県生まれ。2011年に俳優を目指し上京、13年から本格的に活動をスタートさせる。19年には、20代俳優の映画・連続ドラマ出演数ランキングで1位に輝いた。代表作に映画『花と雨』『ドンテンタウン』『リング・ワンダリング』など。2023年のNHK連続テレビ小説にも出演予定。

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●ある事件を起こし、駐在員として山間の供花村に左遷された阿川大悟(柳楽)。家族と静かな生活をはじめようと思った矢先、“この村では人が喰われているらしい”という、衝撃の噂を耳にする。
(c)2022 Disney