与田祐希さんが選んだ1冊は?「自分が生きる世界がすべてじゃないと作品に“海の広さ”を教わりました」

あの人と本の話 and more

公開日:2023/6/14

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年7月号からの転載になります。

与田祐希さん

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、与田祐希さん。

(取材・文=斎藤春子 写真=booro)

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 2000年生まれの与田さんと、1997年にスタートし、現在も連載中『ONE PIECE』との出会いは、アニメからだった。

「小学生の頃に家族でハマって、当時はDVDをレンタルして1話から見ていました。その後、コミックスを自分で買って、中学生の時は暇さえあれば読んでいましたね」

 作品の魅力を問うと、ユニークで魅力的なキャラクター造形に加えて、言葉選びのセンスだと語る。

「背中を押される言葉だけじゃなく現実的なセリフもあって、名言がすごく多いじゃないですか。最近のライブでも、私が『ONE PIECE』好きだと知るファンの方たちが集まって『マリンフォード頂上戦争編』の“仲間がい゛るよ!!!!”ってセリフを掲げてくれたことがあって、それを見た時はすごくグッと来ました」

 与田さんにとって、マンガやアニメなどに没頭する時間は「現実を忘れて旅に出るような感覚」だとか。

「『ONE PIECE』を読むと、私が生きてるこの世界が全てではないと思わされます。いろんな世界があるし、海は広い。その全部を知るのは無理だけど、私もいろんな世界を知りたいです。〝麦わらの一味〟に入りたいかと聞かれたらイヤだけど(笑)、命をかけ合うような冒険ができるなんてうらやましいです」

 昨年に続き主演を務めるドラマでは、プラモデルという新しい世界をきっかけに成長する女性を演じる。

「1年前はまさか、ほぼ同じメンバーで、また一緒にドラマができるなんて思ってもなかったんです。しかもリコというキャラクターはほぼ同じだけど、職業も違えば、周りのメンバーとの関係性も全然違う、もうひとつの世界を生きるストーリーというのがすごいですよね。前回に引き続き、魅力的なプラモデルがたくさん出てきますし、この作品らしいほっこりした温度感は変わらないので、楽しみにしていただけたら嬉しいです」

 地上波連続ドラマ初主演となった前作では、ゆっくりと成長していくリコの姿が、俳優としての与田さんが成長する姿と重なるものがあった。

「たぶんまだ私は、お芝居の楽しさしかわかってないと思うんです。演じるお仕事には、いま私が感じてる以上に大変なことや、考えることがたくさんあるはず。その奥深さをもっと知りたいけれど、急には無理なので、一回一回精一杯演じていきたいです。そして今回のリコを演じ終えた時に『あ、成長したな』と自分で感じられたらいいなと思います」

ヘアメイク:谷口里奈 スタイリング:中村 絢 衣装協力:Te chichi

よだ・ゆうき●2000年、福岡県生まれ。乃木坂46のメンバー。『MAQUIA』『bis』のレギュラーモデル。俳優としての主な出演作は映画『ぐらんぶる』、ドラマ『ザンビ』、『日本沈没-希望のひと-』など。7月1日(土)より「乃木坂46真夏の全国ツアー2023」が開催される。

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