【たかぎなおこ氏インタビュー】毎日運動する“継続力”、どうすれば身につく? 体力アップの秘訣を語る

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公開日:2024/4/12

体力アップ1年生
体力アップ1年生』(たかぎなおこ/KADOKAWA)

40代、50代になると、20代との体力差を感じることが多くなり「なんとなく毎日疲れている」「休んでも疲れが取れない」と感じる人も多いのではないだろうか。30代の頃はマラソンを楽しみ、フルマラソンを完走した経験を持つイラストレーターのたかぎなおこさんもそんな一人。42歳で一人娘を出産し、子育てと仕事に追われ、「疲れやすい」「仕事も家事もやることいっぱいなのに…」と日々感じているそう。しかし、「老け込むにはまだ早いでしょ!!」と体力アップを目指して生活を変えることを一念発起。その模様を描いた『体力アップ1年生』(KADOKAWA)を2024年2月に上梓し、等身大で頑張る姿に多くの読者から共感を得ている。たかぎさんに体力アップを図った生活でどんなことが得られたのか話を聞いた。

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――たかぎさんは『マラソン1年生』など、マラソンに関する著書も多数お持ちですが、もともと運動すること自体はお好きなんでしょうか?

たかぎなおこさん(以下、たかぎ):子どもの頃は木登りしたり逆立ちしたりとおてんばで、体育の授業も好きでした。でも、走るのは遅いし、力はないし、球技も苦手だしで、スポーツ自体はあまり得意ではありませんでした。中学、高校生時代はテニス部に入っていたのですが、練習は休まず参加するのにちっとも上達できなくて、試合では負けてばかりでした。大人になってからの運動経験は、マラソン以外は太極拳を習ったことがあったくらいです。

――マラソンはどんな理由で始められたんですか?

たかぎ:東京マラソンが始まってマラソン人気が高まってきたときになんとなく挑戦してみたくなり、友人と始めたんです。最初はただ走るだけなんて苦しいしつまらないし、すぐにくじけそうになりました。でも一緒に始めた友人が真面目なタイプだったこともあり、一緒に練習を続けていくうちにちょっとずつタイムが上がってきたんです。それで続けることができました。速く走るのは苦手なのですが、ただゆっくり長く走るというのなら自分でもできるスポーツだと思いました。マラソン大会はたくさん開催されているので、旅行がてら遠方の大会に出場するのも楽しかったですね。

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――かつてのマラソン仲間で、本書でも頼もしい指南役として登場するゆみこさんが「約束と発表会!!私のモチベーションはこれですね!!」と話されていたのが印象的でした。たかぎさんの中で体力アップの日々を支えるモチベーションとして大きかったものはなんですか?

たかぎ:担当編集のかとうさんとゆみこさん、そして私の3人でLINEグループを作って、毎朝運動したことを報告し合う“約束”を続けたことがとても大きかったですね。何か運動を始めても一人だとすぐさぼってしまっていたのですが、約束があると本当にさぼれないんです。朝の運動といっても、私がしているのは5分くらいの軽いものなのですが、それでも1年以上さぼらずに続けたら確かに体がすっきりしましたし、腰痛などの不調も減りました。LINEグループでは何を食べたかの食事報告もしていたので、料理に対するモチベーションのアップにもなりました。

――自分一人で「やらなきゃ」と思わないでいるのが大事だったんですね。かとうさんとゆみこさんという頼もしい仲間がいたわけですが、たかぎさんから見てお二人の存在はどのようなものでしたか?

たかぎ:トライアスロンをやっているゆみこさんの日々の運動量は本当にすごくて、私が朝の5分運動をするのですら面倒でベッドの中でうだうだしている間に「朝からプールで4キロ泳いで10キロランニングして帰ってきました!」なんて報告がきたりするんです。一方のかとうさんは私と同じくらいのレベルなんですが、そのかとうさんからも「朝の体操終わりました!」と報告がくるともう残されているのは私だけなので、「うお〜、自分も早く起きて報告しなきゃ!!!」となるんです。はるかにハイレベルで師匠のようなゆみこさん、同レベルでライバルのようなかとうさん、この二人がいることがちょうどいい刺激になりました。

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――夫であるおつぐやんさんはぽっちゃり体型で運動不足ということで、作中で“道連れ”にされているご様子がいろいろありましたね。たかぎさんが体力アップに励む様子を見て、おつぐやんさんが変わったということはありましたか?

たかぎ:うちの夫も常々「もっと痩せなきゃ」と思っているようで、最初は道連れだった夜の散歩もそのうち自分からも「今日はお散歩いかないの?」と聞いてきたり、散歩中も「もっと遠回りしようか」と言ってきたりするようになりました。道連れで参加させられたスポーツテストでは思ったより結果が伸びなかったようで、「昔はもっとできたのに…!」とちょっとくやしかったようです。夫は料理もよく作ってくれるのですが、私がゆみこさんのおすすめでもやしをよく食べるようになってもやしナムルばかり作って食べていたら、違うもやし料理を提案してきてくれたりして、よく一緒にもやしを食べるようにもなりました。夫の健康意識もちょっとずつ変わってきているかな?と思います。

――在宅デスクワークだと、仕事中についつい甘いものに手が伸びる…ということがありがちですよね。間食との距離はどうやってとっていますか?

たかぎ:間食は一時期一切やめていたのですが、いまはまたついつい手が伸びてしまっています。誘惑に打ち勝つのは難しいですね…。でも21時以降は食べないというルールはいまでもけっこう守っています。前は夜中でもおなかがすくとお菓子とかインスタントラーメンを食べたりしていたので、それをやらなくなっただけでもだいぶ違うのではないかと思います。

体力アップ1年生

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――作中ではお掃除運動、オンラインフィットネス、朝の運動、食生活の見直しなど、さまざまな試みをされていましたね。ずっと続いているものは何になりますか?

たかぎ:朝の運動でやっていたタオル体操はその後もずっと続けています。タオルを握ってぐるぐる腕を回す運動なのですが、疲れないし気持ちがいいしで、苦にならない運動で気に入っています。食生活の面では朝に卵を食べる、もやしを積極的に食べる、21時以降食べない、ということが継続できています。

――運動をすればいいのはわかっているのだけど、なかなか続かない、体力がなくなっているけどどうすればいいかわからない、という人はたくさんいると思います。そういった方にどんなアドバイスを送りますか?

たかぎ:小さな運動でもいいので毎日続けることって大切だな~と思います。うちはいま娘が小学生で朝だけ途中まで送っていってるのですが、その送りついでの朝の散歩もよくやってます。通勤のときエスカレーターではなく階段を使う、洗濯物を畳みながらストレッチをするなど、日常的に絶対やらなければならない用事のところに運動をプラス、というのは続けやすいのではないでしょうか。

――毎日続ける“継続力”は運動に限らず大事ですよね。継続力ってどうしたらつくんでしょうか?

たかぎ:私も本当に継続力がなくてたいしたアドバイスができないのですが、とにかく自分一人だとさぼってしまうタイプの人は、誰かと一緒にやるのが続く秘訣かと思います。運動でも勉強でも仕事でも、見張ってくれる人がいるというのはすごくありがたいことです。

――1年間体力作りに頑張られて、その効果は実感されていますか?

たかぎ:劇的に体力アップはできなくて、相変わらずよく「疲れた」と言ってはいるのですが、腰痛などの体の不調は本当に減ったな~と思います。不調がないのが効果の証でしょうか。あと久しぶりに誰かと会って「痩せた?」と聞かれるとうれしく思っています。

――体力作りに関して、今後の目標があったら教えてください。

たかぎ:本の中で2回「フォトロゲイニング」という制限時間内にチェックポイントを徒歩やランニングで回って得点を集める競技に出ているのですが、2回とも制限時間をオーバーしてしまったんです。なので、もう一度フォトロゲイニングに出場して今度は制限時間内にゴールしてみたいです!

取材・文=西連寺くらら

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