乃木坂46・齋藤飛鳥「“こんなに悪いことがあるよ”ということを知っておきたいんです」

あの人と本の話 and more

2015/6/5

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、アイドルグループ・乃木坂46の齋藤飛鳥さん。本誌掲載のインタビューでは、伊坂幸太郎作品史上「最悪」のキャラクターが登場する『オーデュボンの祈り』をオススメしてくれたが、他にも手に取る本はダークな内容のものが多いという。

 読書が好きになるきっかけは、小学校高学年の頃だった。女子特有の人間関係のいざこざに巻き込まれて、一匹狼に。休み時間は図書室に通い、読書を楽しむ習慣がついた。最初の頃はファンタジー系の小説を読んでいたが、中学に入ってからは、ダークな作品にも手を出すようになった。
「それからはいい話っぽいものを読むと、“ホントかな?”と思うようになってしまって、あんまり読めなくなっちゃったんです(苦笑)。根本的に、性格が暗いんですよね。暗い話のほうが、読んでいてしっくり来るんです」
 手当り次第に読んでいった中で、「この人の書く本は全部面白い」と初めて思ったのが、貫井徳郎だった。特にオススメなのは、『崩れる 結婚にまつわる八つの風景』と、『乱反射』
「『崩れる』は肉体的にえぐい描写が多いんですけど、『乱反射』は心にくる感じです。色んな人がちょっとずつ犯してしまった罪によって、ひとりの男の子が亡くなってしまう。“これからどういうふうに生きていこう?”と考えさせられちゃう感じのえぐさなんです」
 伊坂幸太郎の本は、ファンに教えてもらったそうだ。
「何人かから“貫井さんが好きなら、伊坂さんも好きだと思うよ”と言ってもらって。伊坂さんの本でも、『チルドレン』なんかはいい話っぽく思えるんですけど、やっぱり黒い部分が入っていて……。人の暗い部分とか、汚い部分を見たがる性格なんですよ。“生きていればこんなに良いことがあるよ”とかいうことよりも、“こんなに悪いことがあるよ”ということを知っておきたいんです」
 このところ、ずっと知りたいことがありそうだ。
「乃木坂メンバーの深川麻衣ちゃんって“聖母”と言われているじゃないですか。ホントにいい子だと思うんですよ。優しいし思いやりがあって、超いい子だと思うんですけど、そんな深川麻衣ちゃんが心の中で何を考えているのかってことをすごい知りたいんです。真っ白な深川さんの黒い部分を知りたいんです!」
 そんな腹黒い(笑)齋藤飛鳥さんには……テレビゲームの『グランドセフトオート』をオススメしたいです。
「あっ、そのゲーム、いろんな人からオススメされました(笑)」

(取材・文=吉田大助 写真=山口宏之)

齋藤飛鳥

さいとう・あすか●1998年8月10日生まれ、東京都出身。2011年、アイドルグループ・乃木坂46の1期生オーディションに合格し、当時最年少(13歳)でメンバーに。15年4月号より『CUTiE』の専属モデル。氣志團をリスペクトする乃木坂メンバー7人で結成されたロックバンド「乃木團」ではドラムを担当する。
ヘアメイク=高橋稚奈

 

『サラバ!』書影

紙『オーデュボンの祈り』

伊坂幸太郎 新潮文庫 670円(税別)

2000年度新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した、伊坂幸太郎のデビュー作。仙台の東の海、今も鎖国が続くというファンタジックな“荻島”を訪れた主人公が、人語を操り「未来が見える」カカシのバラバラ殺人の謎を探る。しゃれたユーモアの中に、現代日本に渦巻く悪意の匂いもぷんぷんに漂っている。

※齋藤飛鳥さんの本にまつわる詳しいエピソードはダ・ヴィンチ7月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

舞台『じょしらく』

『じょしらく』

原作/久米田康治 漫画/ヤス 作・演出/川尻恵太(SUGARBOY) 制作/ネルケプランニング 出演/高山一実、齋藤飛鳥ほか 公演期間/6月18日(木)〜28日(日) 劇場/AiiA 2.5 Theater Tokyo
●原作は、久米田康治+ヤスのギャグマンガ。女子の落語家達が楽屋でおしゃべりする姿を会話劇で描き出す。乃木坂46主演の舞台版では、主要登場人物5人をトリプルキャストで演じる。出演者が1人1本落語を披露するのも見所。
©久米田康治・ヤス/講談社