ほんのりBLが今っぽい。就活女子の描いたダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作がついに刊行!

新刊著者インタビュー

更新日:2013/12/4

3人の関係が深まるにつれて、世界は新たな顔を見せ始める。
渡辺ペコによる装画や扉イラストでは3人の微妙な距離感が描かれた。

※扉イラストに加筆
 

ペコさんからの応援メッセージ

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わたなべ・ぺこ●1977年、北海道生まれ。2004年、「透明少女」で、ヤングユー新人まんが大賞ゴールド賞を受賞し、デビュー。作品に『蛇にピアス』(金原ひとみ原作のコミカライズ)、『東京膜』『ラウンダバウト』、『キナコタイフーン』(原案:はと実鶴)『変身ものがたり』など。『ペコセトラ 渡辺ペコ短編集』『にこたま』は、ダ・ヴィンチプラチナ本に選出された。
 

青春小説に詳しい書店員さんの声も続々!

新しい!まさに現代の青春小説。大人の手前だからこその不安定さや未熟さが眩しい。  彼らの気持ち、想いのひとつひとつが瑞々しくそして切なかったです。
SHIBUYA TSUTAYA 内山はるかさん

“葉”も、クラスメイトの“橋立”“仲平”もどこにでもいそうな普通の高校生。しかしこれはただのさわやかな青春物語ではない!それぞれに悩みを抱え、しかしその悩みに溺れることなく日々を過ごす姿はたくましい。特に主人公 葉のラストの男前っぷりにどきっとした!
紀伊國屋書店 新宿南店 鈴木郁美さん

ずるいよ!出だしのたった6行で取っ捕まってしまった!どうせそういう話なんだろうなーって思い込みが軽く裏切られ続け、気がつけばとても甘酸っぱ切なくなれます。あー、また高校生活をやり直したくなってきた(本気)
ヴィレッジヴァンガード町田店 中薗豊さん

人それぞれに事情があるということを、ちゃんと分かっている。だけど、それを言葉にすること、行動することの難しさ。思わず不器用にもジタバタしてしまうその姿に切なさを、そしてその先に希望を感じます。
ジュンク堂書店 福岡店 下妻久美さん

いいなぁ。なんだか羨ましい。同じ学校同じクラス同じ塾に通う柏木と橋立と仲平。
変な三角関係を築きながら、それぞれがもがいている姿がまさしく青春って感じでいい!  切なくて楽しくて、やっぱりなんだか羨ましい。
ブックファースト 阪急西宮ガーデンズ店 岸田安見さん

不安、孤独、焦燥、煩悶・・・若者たち特有の複雑な心の揺らめきと、真っ直ぐに向かい合った潔さが印象的。粒子までも際立つ空気感、ガラス細工のような繊細さ、そして研ぎ 澄まされた筆致・・・底知れぬ可能性を秘めた作家の今後に大いに期待を寄せたい。
三省堂書店 営業本部 内田剛さん

透明感のある素敵な作品でした。 登場人物3人の少々歪んだ部分も、思春期らしい穢れなさが覆っていて、悩んでいたら“大丈夫だよ”と声をかけてあげたい気持ちになりました。
ブックファースト 梅田2階店 藤原洋子さん

誰にでもある、みずみずしい多感な感受性を、真空パックしてくれたような。大切なものを改めて守ろう、守り続けようと思わせてくれた小説です。
紀伊國屋書店 本町店 原辺香余さん

それぞれ人とは違う恋愛観をもった葉、橋立、仲平の3人はある意味相性抜群で、近すぎず、離れすぎず、微妙なバランスを保っていて読んでいてとても心地よかったです。
紀伊國屋書店 本町店 神吉柚乃さん

読みながら、何度も苦いため息をついた。あぁ、知っている、と。すぐ隣にいるクラスメイトがものすごく遠く感じられたり、自分の気持ちがうまく言葉にならなかったりする、このもどかしさ。誰もがただ楽しく生きていたいだけなのに、うまくいくことの方が少ない気がして、切ない。3年後、10年後の彼らのことを想像してみる。どうか幸せであってほしいと心から願う。
オリオン書房 ノルテ店 辻内千織さん

今は厳しい冬の季節だけど楽しみ方はたくさんあるし、いつかは気付いたら暖かな春がやって来ている、ということが三人の“今”“未来”と重なり、大丈夫だよと言ってあげたくなるような小説でした。
SHIBUYA TSUTAYA 竹山涼子さん

恋をするのは普通のことだ。でも恋をした相手によっては、想いを伝えられず悩んだり、他人から揶揄されたりする。まるでその気持ちが異常であるかのように感じてしまう。これはマイノリティな恋に悩んでいる人に、慰めを与えてくれる小説である。
紀伊國屋書店 新宿本店 石原つかささん

高校にいるときの関係とそれ以外に保つ「距離感」がリアルに描かれている。些細なことから始まる不思議な交友がずっと続けばいい。と思わせるキャラクター。高校生の可能性と現実の間を書いた文章・言葉が切なくも胸に突き刺さる一冊。「確かでないものを、確かに見せる」という文章に希望が隠れていて、「自分の居場所」を感じられる作品!
明正堂書店 アトレ上野店 櫻井邦彦さん

男女3人が些細な接点から少しづつ近づいていく。その微妙な距離感の描き方がとても丁寧で素敵でした。心がしんとするような、瑞々しい文体が高校生たちの心情をよりリアルにさせている。今高校生の人にも、かつて高校生だった人にも、ぜひ読んでもらいたい!
喜久屋書店 倉敷店 大倉千晶さん
 

紙『笑えよ』

工藤水生/メディアファクトリー/1,050円

「──おれ、女のひとがだめなんだ」

成績優秀で常に穏やかな橋立、運動神経が良くクラスの中心にいるモテ男・仲平。高2の普通女子・柏木葉がある秘密を知ったときから、三人の奇妙な関係は始まった。

友情や恋愛を超えてつながる彼らの在り方が、割り切れない現実にもどかしさを抱えていたあの頃の気持ちを呼び起こす。