【ひとめ惚れ大賞】 組織とは「一人ひとりの能力を引き上げる装置」です『マーケティングとは「組織革命」である。』森岡毅インタビュー

文芸・カルチャー

2018/8/16

    『マーケティングとは「組織革命」である。』

    森岡 毅
    装丁:中川英祐(tripleline)
    編集:奥井真紀子(編集プロデューサー)、
    勝俣哲生(日経クロストレンド)
    発行:日経BP社 
    発売:日経BPマーケティング
    1600円(税別)

もともと人が動くシステムを考えることに興味があり、組織について思考と実戦を重ねてきました。組織とはいわば「一人ひとりの能力を引き上げる装置」。人の強みを引き出し、強みを組み合わせてボトルネックを消す。それこそが強い組織の在り方だと考えています。

USJを退いた後、私は実践経験を積んだマーケター集団「刀」を立ち上げ、多くの企業様とお話ししてきました。そのなかで気づいたのは、マーケティングのノウハウを活かすための組織体制が、まだ脆弱な場合が少なくないということ。スポーツ選手でいえば、最低限必要なフィジカルが育っていないと、いくら頭で技術を理解していても活かせないですよね。マーケティングのノウハウと組織力も同じです。USJも、私が関わり始めた当初はそのような状態でした。一人ひとりが懸命に働いているのに力を発揮できない。しかし組織体制を改革した結果みごとV字回復を果たし、今も好調を維持している。それはひとえに、持続可能なマーケティング力を展開できる組織を作ることができたからだと自負しています。

マーケティングは「作ったものを売る」のではなく、消費者のことを考え、「売れるものを作る」ことを目指すもの。しかし多くの日本企業は「いいモノを作ること」にフォーカスしていて、組織もそう作られています。つくれば売れる時代が長かったからではないでしょうか。

現場でマーケティングを考えるときは、表層にとらわれず、なぜそうなるのか本質を突き詰めて考えます。組織もしかり、市場構造もしかり。それを体系化し、形式知化した一部をこの本に著しました。私は子どもたちにも豊かな日本を遺したい。新たな価値を創出し、ビジネスの成功確率を上げ、企業が活性化するマーケティングこそがそのカギを握っている。そう信じています。(森岡さん談)

|| お話を訊いた人 ||

森岡毅さん1972年生まれ。マーケティング集団、株式会社刀代表取締役CEO。96年、P&G入社、2004年P&G世界本社に転籍した後、10年にUSJへ転職し、再建を成功させる。『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』などマーケティング関係のヒット書籍多数。

取材・文/田中 裕 写真/首藤幹夫