「カメラを止めるな!」上田慎一郎監督が、またまた一般公募の俳優さんたちと映画を撮るよ!

エンタメ

2019/2/23

 制作費300万の低予算映画にして、まさかの興収30億&210万人を動員した奇跡の映画「カメラを止めるな!」公開から早1年半。本作は「キャストが全員無名」ということでも話題になりましたが、上田監督が再び無名キャストで映画を撮る!という話を聞きつけ、いてもたってもいられず現場見学に行ってきました。その模様をレポートします!

文=松田紀子(KADOKAWA「カメラを止めるな!アツアツファンブック」編集長)

○静かに、そして徐々に高まる演技の熱

 上田監督が今回手がけるのは、松竹ブロードキャスティングのオリジナル映画プロジェクト第7弾。出演者は約1500名の中から書類選考・オーディションを通過した、たったの15名。まさに100分の1で選ばれし精鋭たち!

 そんな俳優さんたちに上田監督が直接演技指導するワークショップ現場にお邪魔しました。

▲カメラを持つ上田監督ほどかっこいい男はいるだろうか、いや、いない。

 ワークショップは、上田監督が書いた脚本を班ごとに演じるもの。途中までは全班同じ脚本で演じるが、物語の最後は班ごとのエチュードになっており、結末は様々だ。

 実は私、最初の班のリハが始まったとき、ちょっとびっくりした。

「え? なにこれ、こんなもんでいいの? 何も伝わらない」と。

 リハが終わり、上田監督が一人ひとりにアドバイスするのだけど、それが的確過ぎてさらに驚く。(いや、演技のことはよくわからないけれど、明らかに「そうしたほうが面白くなる!」というアドバイス)

 そう、彼女の役はもっと「異質さ」を出したほうがいいし、彼はもっと「みっともなさからのギャップ」を出したほうがいいし、若者は荒ぶる心をぶつけたほうがいいし、アイドルの子はすっとんきょうさを出したほうがいい。

 上田監督の必要最小限のアドバイスを受け、各自修正を施した本番が始まったのだけど、なんということでしょう、さっきと全然違う! 断然こっちのほうがいい! 好き! 同じキャストで同じ脚本なのに、監督のちょっとしたアドバイスで物語にリズムが生まれ、キャラが立ち、喜劇として大爆笑してそして泣ける…。本番が取り終わる頃、私は涙を拭うのに必死でした。上田監督、やっぱり天才かよ~。

▲上田監督の演出により、みるみるボルテージが上がっていく!

○そしていよいよこれからが本格始動!

 松竹の会議室に集まった、15名の無名の俳優さん達。彼女&彼らが上田監督の手腕によって、どう進化し成長していくのか。強烈な印象を残した「カメ止め!」のキャストもみんな、はじめはこんな様子だったんだろうなあ。上田監督が撮らずにはいられなさそうな、じわじわくる佇まいの俳優さんたちもちらほら。ああ、彼らがどういう演技をしてくれるのか、今から楽しみでなりません!

 最後に、休憩中の上田監督に少しだけお話を伺いました。

――上田監督のアドバイスにより、あっという間にキャラが立ち、洗練された芝居に変わりました。演出のアドバイスをするポイントってありますか?

 塩田明彦監督の言葉で「無意識を強化せよ」という言葉があるんですが、膨大な量の映画を見続けていると、ワークショップなどで「どういう言葉をかければ役者がそのとおりに動いてくれるか?」ということが無意識に蓄積されているんだと思うんです。まあ直感、ではあるんですが、その直感は知識と経験によって蓄積されているから、ロジカルであるとも言えるんですけど。

――今回も、なんだが立ち姿だけでワクワクするような俳優さんたちがたくさんいらっしゃいますね。

 そうですね、僕自身が、何度も演技を見たくなる人とか、カメラを回したくなる人という視点で厳選した人たちなので、撮るのが今から楽しみです。

▲上田監督のお話に食らいつく精鋭たち。がんばってえええ!

 ごらんのように、上田監督の少年のようなワクワク魂、今も健在です~。さて、ワークショップは今日でおしまい。これから上田監督はこの15名を活かした脚本づくりに入り、クランクインは今年の5月予定とのこと。

 次回はできればこの撮影現場に潜り込み、あわよくばエキストラとして映り込みを狙いながら、精鋭15名のその後をレポートさせていただきます!