娘のおえかきを完コピする“衝撃のキャラ弁”がおもしろすぎる! ザ・ギース尾関高文さんインタビュー

暮らし

2019/4/11

 衝撃のお弁当がSNSを席巻した。いわゆる“キャラ弁”なのだが、海外メディアも「クール!」とざわつくほど。凝っているとか、(失礼ながら)美しいというものでもない。しかも、作っているのはママではなく、料理が得意でもない(本人談)パパだ。それに、お弁当のキャラとは、4歳の娘(現在は5歳)が描くおえかき。子どもらしく自由な“画風”を、そっくりそのままに再現していることから、斬新すぎると話題を呼んでいる。

 お弁当の作り手は、コントユニット「THE GEESE(ザ・ギース)」の尾関高文さん。コントの台本やメディアで面白コラムを書いたり、テレビやラジオ、さらには映画やドラマにも出演したり、イベントの司会を務めたりと多彩に活躍する芸人だ。

 西日本の人には、広島東洋カープに詳しい「カープ芸人」として馴染み深いかもしれない。首都圏を拠点にしながら、広島でも多くの仕事を抱える尾関さんだが、尾関家ではお弁当作りはパパの役割。4つ上の長女が幼稚園に通っていた時もユニークなお弁当を作っていたが、今回の次女のお弁当はさらにバージョンアップ(!?)。

『ザ・ギース尾関の「娘の絵を完コピ!」 おえかきキャラ弁』(尾関高文/永岡書店)

 そんなSNSを騒がせてきたお弁当の傑作集と書き下ろしエッセイが詰まった『ザ・ギース尾関の「娘の絵を完コピ!」 おえかきキャラ弁』(尾関高文/永岡書店)が上梓されたので、尾関さんに話を伺った。

▲ドイツのメディアにも掲載された!
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■お弁当作りは朝起きて30分で! バスに乗り遅れないよう走るので…

――お弁当は可愛らしいし、書き下ろしのエッセイが本当に面白くて。一気に読んでしまいましたが、何度も読み返しています。電車で読んだら笑いをこらえられないので困りました。コントの台本や面白コラムを書くように、エッセイを綴られたんですか?

尾関高文さん(以下、尾関): いえいえ、そんな。本当にありがとうございます。一応、おえかきのテーマから面白いエピソードがないかなって探したり、前に聞いた面白い話なんかをつなげたり、という感じですけれど、あくまで主役は娘のお弁当。変にネタっぽくしたくなかったので、自然にそこが引き立つように書いたつもりです。

――お忙しそうですが、お弁当はいつ作ってるんですか? 大変なことは?

尾関: 朝6時に起きて30分で作ってます。そんな大変じゃないですよ。うちは週3回だけですし、作るのも、簡単な炒め物に、チーズ、ハム、海苔を切るぐらいですから。ぼくは別に器用なほうでもないですし、背が大きくて手も大きいので細かい作業は人より苦手なぐらい。台が低いから、腰痛になりそうですけれど(笑)。

 時間がないので、よくお迎えのバスの時間ギリギリになっちゃうんです。そうすると、走らないといけない。すると、娘が背負ったリュックがバウンバウンと揺れちゃって…。せっかくのお弁当が作った直後にぐちゃぐちゃになる悲劇を味わいました…。今はそういう時、ぼくがリュックを持って一緒に走るようにしてます。ただ、油断すると娘が玄関でリュックを背負ってから、靴を履こうと前に屈んじゃって、逆さ状態になることも…。あれは怖いですね…。

――お弁当はフタをする前に「完成品」を娘さんに見せるのですか?

尾関: 見せます。こうなってるからねって。幼稚園でこのままになってたらいいねって。でも、だいたいなってないみたい(苦笑)。成功率は5割ぐらいです。だから、帰ってくると「パパ、ここがこうなってたよ」って間違い探しみたいに言われます。そうかー、ごめんね、気をつけるよって、いつも謝ってます。

■パパの似顔絵は黒一色、ママは色とりどり。夫婦間格差にもめげず

――1コマ漫画みたいなお弁当もあります。恐竜や動物にも造詣が深い尾関さんらしく、マナティとジュゴンの違い、「モー」と鳴くきりんなど、ほとんどが生き物の豆知識。長女さんの時より、教育熱心になったようにも感じられます。

尾関: それはね、ちょっとあるんですよ。何か弁当から学んでほしい。いや、そんな大それた望みじゃないんですけど(笑)、下の子は勉強が好きなんですよね。お姉ちゃんの勉強を見ては、先に九九の段を言えるようになって得意げになったり。それに、今こういう動物の豆知識が流行ってるでしょ。やっぱり、子どもも好きなんですよね。

――お弁当の前日にリクエストやおえかき図をもらうんですよね。ササッと描かれている絵の感じも、お弁当でとても忠実に再現されているんですが、ママの似顔絵はとてもキラキラしていました。パパのはいつもどおり、サッと描かれてたのに。

尾関: そうなんですよ! 前もって言ったんですけどね、「ママの似顔絵、お弁当の下書きだから適当にね。ちゃんとじゃなくていいから」って。それなのに、しっかり描いてきたという…。そうか、なるほど、と思いました…。だいぶ豪華で、この格差…。ママが現代のアニメなら、ぼくはカラーなし白黒、力道山の時代のアニメですよ。

――でも、ちゃんと完コピしていますよね。紫色のドレスは、ハムを紫キャベツの煮汁で色づけするという芸の細かさ!

尾関: このぐらい薄い色ならいいですよね。自然の素材を使って色を染めるのは安心できるし。ちなみに、紫キャベツの煮汁に重曹を入れると、青とか緑色になるんですよ。ただ、青や紫って見た目でおいしそうじゃないので、あまり使わないようにしてます。前にハシビロコウをド紫に染めすぎて、大不評でしたから…。

■お弁当づくりは家庭の潤滑油。残り物はパパ弁当にしてムダなく

――かなり上達されましたよね。コツはあるんですか?【リンク:前回2016年のインタビュー記事】

尾関: 多少は。キャラになる具材は切りすぎたら、取り返しがつかないでしょ。昔は大きめにカットして調整してたんだけど、そうすると大きすぎちゃってはみ出る。それが、だんだん縮尺の感覚がわかるようになって、ちょうどいいぐらいのサイズに一発でカットできるようになりました。

 ちなみに、余ったパーツはぼくのお弁当になります。適当です。悲しすぎます。人様には見せられない代物ですが、事務所とかで普通に食べます。だって、残したらもったいないし、これはこれで一石二鳥ですからね。

――お弁当づくりの他に、どんな家事をしていますか? 仕事との両立は大変なのでは?

尾関: 洗濯とか掃除ですかね。いる時はやるってぐらいですけど。奥さんも働いているし、ぼくは好きな仕事をさせてもらっているので、家事はできるだけやります。お弁当作りは慣れてしまえば30分ですし、そんなハードな任務ではないですよ。しかもそれで家庭がうまく回るのであれば。娘が喜ぶのはうれしいから、好きでやってるってこともあります。本にまとまったのも、娘がすごく喜んでるんですよ。

――仕事もプライベートも一緒に変化して影響があったのでは?

尾関: そうですね。最初から意図していたことではなかったんですが、ぼくのキャラ弁を世間の人が見ていいなと思ってくれて、それが仕事につながって、娘も喜んでくれた。ぼくは、仕事もプライベートも基本的にぜんぶつなげたいというか、つながっていた方がいいと思うんです。そういう流れが、うまくできた感じはしますね。

 今、料理のうまい芸人はいるのに、意外とわが子にお弁当を作ってるというパパはいないんですよね。他にも今、野球キャラ弁もつくってるんです。名場面をお弁当にするみたいな。「江夏の21球」はうずらの卵21個で表現したので、めちゃくちゃ胃もたれしましたが、こういうのも色々やれたらと考えています。

――どれもユーモアとオリジナリティがある。海外の人にもウケるわけですね。

尾関: 中国でも日本のキャラ弁が流行りつつあるみたいです。面白いジャパニーズ・カルチャーとして、オリンピックに向けて広めていくのもいいかもしれない。まあぼくは、上手なわけじゃないですけどね、ほんとに職人みたいに上手な人がいますから…。でも、ぼくみたいなお父さんでも挑戦できるキャラ弁ということで、気軽にいろんな人に見てもらえるといいなと思います。本当に誰でもできますよ、ぼくができるんだから。

文・取材=松山ようこ

■今週末には本書発売記念のイベントも開催!

尾関高文(ザ・ギース)×阿佐ヶ谷姉妹 トーク&サイン会
・日時: 4月14日(日)14:00~15:30
・場所: 三省堂書店池袋本点
・参加方法: WEB予約+書籍購入
・申込サイト: http://ikebukuro.books-sanseido.co.jp/events/4276