池田エライザ「中田秀夫監督が、限界を超えるまで引き上げてくれました」
公開日:2019/5/14
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、映画『貞子』の公開を控える池田エライザさん。ホラー映画史上No.1シリーズの最新作。その撮影を聞いた。
『貞子』には、『リング』のオリジナルチームが再結集。監督はもちろん中田秀夫さんだ。
「ほんとシャイな方なんですよ。クランクインしてすぐに、〈なんて呼ばれたいですか?〉っておっしゃって。え?って思ったんですけど、〈じゃあ、エラちゃんで〉ってお答えしたら、結局〈茉優さん〉って。全然、呼ばない。そのあとも〈エラ…茉優さん〉とか、葛藤が見えたりして(笑)」
しかし、いざ演出となると……。
「女優さんみたいに、まず監督が再現してくださるんです。泣くにしろ叫ぶにしろ、どれくらいの熱量の激しさなのか。私たち演者は、それに負けないように食らいついていく。監督が一番情熱を持っていて、それにスタッフも演者も本気でついてく。そんな緊張感のある現場でしたね」
公式サイトやティザーのメインビジュアルにもなっているが、恐怖を表す演技の中でも今回はとくに目の演技にこだわりがある。
「もう目が引き裂けそうでした。監督は楽しくなっちゃって、もっとー!!っておっしゃるんですよ。でも目の玉が飛び出そうになる寸前くらいまでは、いきましたね。これに限らずどの場面でも、自分の限界をつねに超えていたと思います。やっぱり、中田監督だったからそこまで引っ張り上げてくださったんですね」
最後に、本誌読者へのおすすめポイントを聞いた。
「動画投稿サイトが題材っていうのが、すごく現代的で興味深いですよね。でも、怖いのが苦手な方は、『貞子』の公式ツイッターやTikTok、“シャクレル貞子”なんかをご覧いただければ、少し癒されるかなと思います(笑)」
(取材・文:松井美緒 写真:きむらたかひろ)
映画『貞子』
原作:鈴木光司(『タイド』角川ホラー文庫)監督:中田秀夫 脚本:杉原憲明 出演:池田エライザ、塚本高史、清水尋也、姫嶋ひめか、桐山 漣、ともさかりえ、佐藤仁美 配給:KADOKAWA 5月24日(金)全国ロードショー
●心理カウンセラー・茉優は、記憶を失った少女を担当。次第に奇妙なことがおこり、心霊動画を撮った弟が失踪してしまう。
(c)2019「貞子」製作委員会