戸次重幸「田中君と吉田さん、両巨頭が自由なので、自分の芝居を考え直さざるをえないんです」

あの人と本の話 and more

更新日:2019/12/6

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、話題沸騰中の連続ドラマ『おっさんずラブ -in the sky-』に出演中の戸次重幸さん。「ラングドン」シリーズのこと、そしてドラマの撮影現場についてお話を聞いた。

戸次重幸さん
戸次重幸
とつぎ・しげゆき●1973年、北海道生まれ。演劇ユニットTEAM NACSメンバー。舞台、映画、ドラマ、バラエティー番組など幅広く活躍。2014年には短編小説集『ONE』も上梓。主な出演作に、映画『ぼくのおじさん』『神と人との間』『空母いぶき』、ドラマ『グッド・ドクター』、連続テレビ小説『なつぞら』など。
撮影協力:華飾スタジオ

 今回、戸次さんが選んでくれたのは、世界的ベストセラー「ラングドン」シリーズの最新作『オリジン』だ。

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「『ダ・ヴィンチ・コード』から入って、シリーズは発売されたらすぐに買って、全部一気読み。一番好きなのは『天使と悪魔』。最後のオチまですべて完璧。ラングドンのキャラクターもすごくいいんですよね。映画ではトム・ハンクスさんが演じていますが、僕はもう少し線の細いイメージ。女性にモテるのも映画的構図で好きです。『カリオストロの城』におけるルパンのような感じで、ラングドン教授は、毎回ヒロインにとっての白馬の王子様なんですよね」 

 戸次さんは今、テレビ朝日系で放送中の土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ -in the sky-』に出演中。航空会社の新人客室乗務員・春田創一に想いを寄せる先輩整備士・四宮役だ。主演の田中圭さんの“ライブ感”を大切にした台本に囚われない演技に刺激され、「自分の芝居を見直している」という戸次さん。その背景には、恋のライバル(?)の機長・黒澤武蔵を演じる吉田鋼太郎さんの芝居もあった。

「吉田さんの自由さはいい意味ですごいですよ。ドラマは本番前に何度かリハーサルするのですが、基本的には役者はどれも同じ芝居をするんです。でも吉田さんは、本番まで全部違うことをする(笑)。三話の田中君と二人きりで話すシーンでは、本番でいきなり踊り出しましたから(笑)。もちろん台本にはないですよ。あれはびっくりしました(笑)」 

 戸次さんは、むしろ逆に演技を作り込んで本番に臨むタイプだった。

「田中君と吉田さん、両巨頭が自由なので、自分の芝居を考え直さざるをえないんです。すごく刺激になるし、現場が楽しくて仕方ないです」

 ちなみに第一話ラストで“叫んだ”のは、戸次さんのアドリブだったそう。

『おっさんずラブ -in the sky-』は、春田、武蔵、四宮、さらに千葉雄大さん演じる副操縦士・成瀬も加わったラブ・バトル。前作とはまったく違った先の読めない展開だ。

 話題作なだけに「撮影が始まる前は、相当プレッシャーだった」と語るが、「毎回ジェットコースターみたいな展開ですよね。面白い脚本、面白いキャスト、最高のスタッフ。そんな作品に加われて、絶対足は引っ張れないという思いでいつも現場にいます」 また撮影を重ねるうえでこんなトキメキ(?)も!

「千葉君がすごくかわいいんです(笑)。僕が彼の頭をつかんでガシガシするシーンがあるのですが、“もう離したくない!”って思ってしまうくらい。たまらない表情をするんですよ。もう本当にかわいいリアクション!」 

 ラブストーリーでまさに恋愛に関わる役を演じるのは、久しぶりではないか、と戸次さんはいう。

「今回は気持ちの感情を抑えつつ剥き出す、というような役柄。とても新鮮ですし、オンエアを観ていても、自分の演技がこれまでと少し違うのではないかなと思います。ドラマは全8話。ぜひ最後まで楽しんでご覧ください」

(取材・文:松井美緒 写真:山口宏之)

 

土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ -in the sky-』

土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ -in the sky-』

脚本:徳尾浩司 演出:瑠東東一郎、山本大輔、Yuki Saito 出演:田中 圭、千葉雄大、戸次重幸、佐津川愛美、MEGUMI、正名僕蔵、吉田鋼太郎 毎週土曜夜11:15〜0:05 テレビ朝日系で放送中
●天空ピーチエアラインの客室乗務員になった春田創一。機長の黒澤武蔵、同じ寮に住む成瀬や四宮と出会う。「ぶっちゃけ……好きになっても、いいですかーーー!?」。武蔵の絶叫とともにラブバトルが始まる。