尊い! 女の子同士の世界——初心者におすすめ! 絶対読むべき百合漫画まとめ

アニメ・マンガ

2018/6/16

 みなさんは、百合マンガを読んだことがあるだろうか。百合マンガとは、女の子同士の“特別な関係”を描いたマンガのこと。仲の良い親友のような関係から、実際にお付き合いをして、その先も…という恋人関係まで、そのあり方はふたり次第だ。その魅力を一言で表すのはむずかしいが、私は、かわいい女の子同士の仲睦まじい姿を眺めてキュンとする幸福感と、友達以上の親密な関係へ踏み込んでいくときの少女マンガ的なときめきのふたつがあると思っている。今回は、そんな魅力あふれる百合マンガの世界にひとりでも多くの人を引きずりこむために、「これを読めばどっぷりハマるはず!」という作品を5つ厳選してみた。

■5巻完結の名作! 少女マンガのようにドキドキする王道百合マンガ!

『GIRL FRIENDS』(森永みるく/双葉社)

 まずは名作百合マンガ『GIRL FRIENDS』(森永みるく/双葉社)。いつもひとりで本ばかり読んでいる真面目な「まり」と、おしゃれで明るく、いつも周りに友達がいる「あっこ」。ひそかにまりと友達になりたいと思っていたあっこは、思い切ってまりに話しかけ、おしゃれをきっかけにふたりは親友になる。しかし、まりのほうは次第に友達以上の感情を抱くようになってしまい…という王道の展開。ふたりがお互いの好意を確かめ合い、一歩ずつ深い関係へと踏み込んでいく様子は、私たちが友達と恋人と距離を詰めていくときの心の機微に近いものがある。「これぞ百合マンガ」と自信をもっておすすめできる名作だ。全5巻。

■初恋は女の子だった…。 2つの女子校で描かれる女の子たちの物語

『青い花』(志村貴子/太田出版)

 都会的な女の子たちを描く『GIRL FRIENDS』と比べて、鎌倉を舞台にした『青い花』(志村貴子/太田出版)は、同じ女子校モノでも随分と雰囲気が異なる。鎌倉の進学校・松岡女子高等学校に入学した万城目ふみ(まんじょうめ ふみ)は、すらりと背が高く同級生からも憧れられる存在だが、自分の意見がなかなか言えず、感情が高ぶるとすぐに涙が出てしまう女の子。同じく鎌倉のお嬢様学校・藤が谷女学院に入学した奥平あきらは、ふみの小学生のときの親友で、彼女にとっては特別な存在だった…。物語は10年ぶりにふたりが再開するところからはじまり、彼女たちの関係を中心に、たくさんの女の子たちの人間模様を描いていく。全8巻。

■他のジャンルの融合も! 百合×麻雀で何が起こる…?

『咲 Saki』(小林 立/スクウェア・エニックス)

 ここまでの2作は女の子同士の関係に主眼をおいたストレートな百合マンガだったが、別ジャンルと百合を組み合わせたマンガもある。その代表作のひとつが、麻雀×百合で人気を博した『咲 Saki』(小林 立/スクウェア・エニックス)だ。いつもは読書好きのおとなしい性格だが、ひとたび牌を握れば奇跡的な麻雀を打つ少女・宮永咲(みやなが さき)と、運に頼らない理論的な麻雀で他者を圧倒する少女・原村和(はらむら のどか)。話の大筋はこのふたりがインターハイの頂点を目指すスポーツ根ものなのだが、互いの実力を認め合い、次第に大切に思うようになるふたりのやりとりもみどころ。他校の女子メンバー同士の関係も含め、付き合うまではいかないソフトな百合カップルが何組か登場する。かわいい女の子たちのいちゃいちゃぶりを眺めていたい人におすすめ。

■OL×マンガ家 ルームシェアをする社会人同士の百合マンガ!

『2DK、Gペン、目覚まし時計。』(大沢やよい/一迅社)

 最後は、新刊が出るたびに人気を増している2作品をご紹介。まずは正統派の『2DK、Gペン、目覚まし時計。』(大沢やよい/一迅社)。仕事に家事に忙しいOL・香月奈々美は、地元福岡に彼氏を残し、生活能力ゼロのマンガ家の卵・藤村かえでと同居生活を送っている。奈々美は、遠距離恋愛中の彼氏と結婚するつもりだったが、ある日突然「お前レズなんやろ?」と別れを告げられてしまい…。落ち込んでいたところをかえでに励まされ、次第に彼女のことを意識しはじめる…。ふたりの関係を中心に、奈々美の職場のことや、連載を目指すかえでの様子も描かれるため、お仕事ものとしてのおもしろさも。働く女性なら、共感できる場面も多いはず。

■人を好きになったことがない――そんなふたりが出会ったとき、何が起こるのか

『やがて君になる』(仲谷 鳰/KADOKAWA)

『やがて君になる』(仲谷 鳰/KADOKAWA)は、一筋縄ではいかない複雑で繊細なふたりの関係を描く。誰かを特別に思う気持ちがわからないことに悩む少女・侑は、今まで告白されてどきどきしたことがないという先輩・燈子に出会う。侑は燈子なら自分の気持ちをわかってくれると思い、その悩みを相談するのだが…。やがて燈子は、自分すらも特別に思わない侑を、好きになってしまう。もし、侑が燈子を好きになったとき、その関係はどうなってしまうのか…? ふたりがすれ違いつつも、最後には「収まるところに収まる」ことが多い百合マンガだが、この作品だけはまったく先が読めない。今、最も目が離せない百合マンガだ。

 どの作品も、初めは普通の友達だったふたりが、お互いの魅力に気が付き、徐々に惹かれ合っていく姿が丁寧に描かれている。これを機に、女の子同士のひめやかな百合の世界を覗いてみてはいかがだろう。

文=中川 凌