エヴァをつくった男の知られざる実態とは?

マンガ・アニメ

2012/12/6

 1995年にTVアニメが放映されてから、オタクや国内のファンだけでなく、海外でも絶大な人気を誇っている『エヴァンゲリオン』シリーズ。その最新作である『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』が11月17日から公開され、話題になっている。

 そんな『エヴァンゲリオン』シリーズの監督を務めるのが、オタクの教祖とも呼ばれる庵野秀明だ。日本一有名なオタクといってもいい彼の知られざる姿を覗ける本が、再び注目を集めている。それは、妻であり『働きマン』(講談社)『さくらん』(講談社)などの作者としても知られる人気のマンガ家・安野モヨコが描いた『監督不行届』(祥伝社)だ。この本は、カントクくんこと庵野秀明との私生活を描いたもの。エヴァを作った庵野の家庭での素顔は一体どんなものか、覗いてみよう。

 まず、基本的な生活には全く頓着しない彼。結婚前は、いつ切ったかもわからないボサボサヘアーで、銭湯には週1、2回行けばいい方。ひどいときは、1カ月くらいお風呂に入らなくても平気だったそう。洋服もボロボロになるまで着続け、汚れたら捨てていたのだとか。しかし、結婚してしばらくたってからは1日おきでも下着を取り替え、夏場は毎日、それ以外でも2,3日に1回はお風呂に入るようになった。1着しかなかったワードローブも10倍に増え、年中素足にサンダルだったのに靴も3足に増えたそうだが、やはり他の人に比べれば服や生活習慣にこだわりがあるわけではない。そこに費やすエネルギーをすべてカットしているからこそ、仕事であり、趣味でもあるアニメや特撮ものに全力を注ぐことができるのだ。

 そのため、逆にオタク的要素にはかなりのこだわりがある。棚1つ買うにしても、フィギュアコレクションがきちんとディスプレイできないものは却下。前の日どんなに遅くまで仕事があっても、日曜日には決まって7時25分に起きて戦隊ものを見るし、車の中では常に自分で編集したCDでアニソンや特撮主題歌を流す。最初はそのBGMをストレスに感じていたという安野も、次第に順応して一緒に歌うようになり、日曜日の戦隊ものもいつしか自主的に見るまで洗脳されてしまったよう。また、「たまには外の空気を吸いに行こう」と言って出かけた先は仮面ライダーのロケ地だし、渋谷西武で服の試着をするたびに各種ウルトラポーズで登場するという、なんともおちゃめでサービス精神旺盛なカントクくん。自分の好きなものに関しては徹底的にこだわるし、そのためならどんなことも苦にはならない様子。だからこそ、デザインや細かい設定にもこだわった作品を作り出せるのだろう。

 そして、意外なことに、安野の協力のもとダイエット作戦を始めるというエピソードも。ダイエットなんてオタクとは無縁のものだし、いよいよオシャレマンガ家である安野に感化されてオタクから脱しつつあるのか……と思いきや、13kgのダイエットに成功した暁に喜んだことは、なんと「仮面ライダーのスーツがきれる!!」。実際、大人用の『仮面ライダー555』の変身ベルトを装着して嬉しそうに見せびらかしたりもする。そんなカントクくんの夢は、30畳くらいの巨大なリビングにNゲージをしきつめて1日じゅう電車であそぶ事。やはり、いくつになっても子供心を忘れないでいるからこそ、いつまでも『エヴァンゲリオン』のように人々を惹きつける作品を生み出していけるのだろう。