ホスト時代の真相が明らかに! ドラマ化もされた「よろず占い処 陰陽屋」シリーズ、待望のスピンオフに反響続々

文芸・カルチャー

更新日:2023/4/13

よろず占い処 陰陽屋きつね夜話
よろず占い処 陰陽屋きつね夜話』(天野頌子/ポプラ社)

 作家・天野頌子氏の最新刊『よろず占い処 陰陽屋きつね夜話』(ポプラ社)が、2023年4月6日に発売された。同作は約15年にわたって続き、2013年には錦戸亮主演でテレビドラマ化もされた「よろず占い処 陰陽屋」シリーズのスピンオフ。本編では語られなかったストーリーが多数収録されており、ファンからは早速「もっと読みたい!」と続刊を求める声が続出している。

 物語の舞台となるのは、商店街にひっそりと佇んでいる占い処「陰陽屋」。店主である安倍祥明はホスト上がりのニセ陰陽師で、ホスト仕込みの巧みな話術と得意の占いを駆使しながら客の悩みを解決していく。そんな彼の相棒を務めるのは、アルバイトの狐耳少年・沢崎瞬太。クールで現金な祥明と、正義感の強いお人好しな瞬太による凹凸コンビの掛け合いが魅力的な作品だ。

 そして今回発売されたのは、シリーズ第15弾にして完結後初となるスピンオフ作品。陰陽屋の愉快な仲間たちによる短編エピソードが全10話収録されている。

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 例えば第1話「シャンパン・シャワーの夜」は、祥明の現役ホスト時代にスポットを当てた物語。巻末の「あとがき」によると、読者からのリクエストが1番多かったエピソードのようだ。

 祥明は大学院の修士課程に在籍していた頃、母親からの悪行に耐えかね、家を出て行ってしまう。大学院を中退し、その日暮らしをなんとか5年ほど続けていたある日のこと。彼に手を差し伸べる人物が現れる。その人物というのが、クラブドルチェのNo.1ホスト・雅人だった。

 やがて祥明は占い師ホストとして人気を博すものの、その矢先に“ある悲劇”が彼に襲いかかる。いったい祥明の身に何が起きたのか、長らく謎だった「ピンドン事件」の真相がついに明らかに――。

 このほかにも祥明の祖父・柊一郎と化けギツネ・篠田の出会いを描いた物語や「気仙沼恋物語」の続編、さらには三井春菜の初恋など、ファン必見のエピソードが目白押し。

 同作で描かれた「陰陽屋」の知られざる物語に、ファンからは「祥明のホスト時代の話が抜群に面白い」「祥明のホスト時代や、春菜目線の恋のお話、みどり&吾郎と瞬太の出会いなど、読み応えたっぷりで豪華でした」「本編が完結したあとも、こうしてスピンオフが読めて本当に嬉しいです!」「もっといろいろな話が読みたい」などと絶賛の声が後を絶たない。

 祥明や瞬太はもちろん、お馴染みのキャラクターが勢揃いした『よろず占い処 陰陽屋きつね夜話』。同シリーズのファンならば、チェックして損はない一冊といえるだろう。

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