「カバー裏を覗いて無事尊死」クラス替えがきっかけで“ある同級生”を意識し始め… 『14歳の恋』志木と灰島先生の「その後」を描いた第1巻

マンガ

公開日:2023/6/12

リライアンス
リライアンス』(水谷フーカ/白泉社)

 学生時代の一大イベントともいえる“クラス替え”。「友達の中で私だけクラスが離れてしまった」「好きな人と同じクラスになった」など、誰しも十人十色のエピソードがあるだろう。

 2023年5月31日に発売された『リライアンス』(水谷フーカ/白泉社)は、クラス替えがきっかけで“ある同級生”を意識し始める女の子の物語。その同級生のことが気になるのは単なる興味からなのか、それとも甘酸っぱい恋の始まりなのか…。発売初日からSNS上には、早くもさまざまな反響が寄せられているようだ。

『リライアンス』の語り手は、中学3年生に進級したばかりの橘伊織。1年生のとき、同級生の志木葵に同じ本好きとして人知れず対抗心を燃やしていた橘は、3年生で志木と再び同じクラスになった。

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 2年生に上がってから志木のことなど忘れていた橘だったが、ある日クラスで一目置かれている人気者・田中彼方と志木が仲睦まじく立ち話しているところを目撃してしまう。思わず橘は「あの『志木さん』が?」「人気者の田中さんに?」と分かりやすく動揺しつつも、1年生のときと比べて志木の雰囲気がどことなく変わったことに気づき始める。

 クラスが離れていた1年間、志木にいったい何があったのか。好奇心に駆られていく橘は、やがて志木と保健室の灰島先生の“怪しい関係”に気づくのだった――。

 同書を手がける水谷フーカは、思春期真っ只中の恋愛模様を描いた『14歳の恋』の著者。『リライアンス』はその『14歳の恋』のスピンアウト作品として、コミックアンソロジー『楽園 Le Paradis [ル パラディ]』のWeb増刊で連載されている話題作だ。同作に登場する“田中彼方”は『14歳の恋』の主人公であり、志木はバイプレイヤーキャラクターとして登場していた。

14歳の恋』(水谷フーカ/白泉社)

 そんな志木と灰島先生の「その後」に迫ったスピンアウト作品には、『14歳の恋』のファンも大興奮。SNS上にも「誰が志木さんをこんな風にしたんですか! 灰島先生!」「リライアンス、とりあえずカバー裏を覗いて無事尊死」「禁忌に触れるような危うさと怪しさに強く惹かれ、魅入られました」「単なる最高の百合」「百合みある何かを読みたくなったときにおすすめの作品です」など熱気あるコメントが続出していた。

 はたして橘の好奇心は恋の始まりなのか。思春期特有の思い込みや、心情の変化が細かに表現されている『リライアンス』を読みながら、自身の思春期時代にも思いを馳せてみてほしい。

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