【漫画家こしのりょう×佐渡島庸平 特別対談】 新連載のWeb漫画は 内気な研究者の恋物語!?

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更新日:2013/8/13

新抗体物語

「言葉で言わないのが漫画」と語るこしの氏。元の緊張が伝わる第一話の一コマ。

S:たしかに、でてきませんでした(笑)。僕はこういう作品の場合は、ある程度ネタバレしてもいいかと思っていますが、今回知ってもらいたい「抗体」というのには、牛がすごく大切なポイントになっているんですよね。

K:そうそう。読者の方も、「なんで牛?」って思ったんじゃないかと。

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S:主人公の名前が「牛島」だったり、小道具にちょろちょろ牛が出てきたり。そういうのも、今回、伝えなきゃいけないことの本質を理解したからこそ生まれたもので。今後、いろいろな演出をするためのフックをできるだけプロローグに盛り込もうとしたらこうなったと。

新抗体物語

牛の目覚まし時計に赤ベコTシャツ。なぜ「牛」なのかは、物語が進むことで分かってくる。

K:そうですね。プロローグがいきなり説明漫画だと広げていけないし、とにかく漫画は「?」って気になってもらえたらいいんですよ。それが次の興味につながっていきますからね。だから、普通に漫画を描く感覚で描いていったわけです。もちろん製薬業界の規定はあるけれど、これまでも医療漫画を描いてきたのでなんとなくわかる部分もありますし。

S:この後は8P連載ですから、ここからは週刊誌ペースで進められますね。

K:はい。ある程度、決まっているところはある漫画ですけど、わざとらしくならないように繋げていきたいですね。おそらく説明のところもきっと面白くできると思うんですよ。実際、打ち合わせしているとすごく盛り上がるし、これはいいだろうと(笑)。読者のみなさんにも普通に漫画として楽しんでもらえたらうれしいです!

新抗体物語

こしのりょう氏
1967年9月、新潟県三条市生まれ。2004年より6年にわたり、モーニングにて『Ns’あおい』を連載。現代医療が持つさまざまな問題に立ち向かう看護師を描いてヒットとなり、2006年にはドラマ化もされた。2011年より週刊現代(講談社)にて『町医者ジャンボ!!』を連載中。破天荒な医師の、地域医療の現場での奮闘を描く同作は、2013年7月から日本テレビ系にて、テレビドラマ化される。

佐渡島庸平氏
株式会社コルク代表取締役社長。2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『ドラゴン桜』(三田紀房)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、漫画家や小説家などのエージェント会社、コルクを設立。