“ホットミルク”も“寝だめ”も実はNG! よい睡眠のためにやってはいけないこと

健康

更新日:2013/9/24

 夜はぐっすり眠り、朝はスッキリ起き、きちんと朝ごはんを摂って学校や会社へ──それが理想の生活なのは頭でわかっていても、なぜか布団に入ると眠れない。そこでごそごそと寝床を抜け出し、よく眠れるようになるというホットミルクを飲んでみるものの……やっぱり眠れない! というよりも余計に目が冴えてしまった! こんな経験、あなたにはないだろうか?

 実は、「ホットミルクを飲むとよく眠れる」というのは、ホントのところ効果がないという。このように世の中で信じられている睡眠にまつわるアレコレには“迷信”も多い。8月末に発売された『ぐっすり 明日のパフォーマンスを全開にする快眠処方箋60』(鍛治恵/新潮社)から、そんな“信じていたのに実は間違っている”睡眠術を紹介しよう。

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 たとえば、よくテレビなどでも紹介される「目をつぶっているだけで、実際の眠りの70%ほどの効果がある」という説。これも本書によれば「眉唾モノ」だという。目をつぶることでいくらか脳を休めることはできるが、70%の効果は「さすがに無理」らしい。

 美容マニアの女性たちのあいだでは“当たり前”と思われている「美肌づくりのため、成長ホルモンが出る午後10時から午前2時のあいだは寝るべし」という説も、正しくない。成長ホルモンが出るのは「眠りについて最初の深いノンレム睡眠」のときなので、時刻は関係ないというのだ。

 また、深い睡眠を得るためには“やってはいけない”ことも数多い。そのひとつが、パジャマに着替えずTシャツやジャージなどの部屋着で寝てしまうこと。なんと「着替えずに寝ると、起きているときの感覚を引きずったままになるため、眠りが訪れにくい」というのだ。実際、パジャマに着替えたほうが入眠までの時間が短くなることが実験でも証明されているのだとか。ここは子どもの頃を思い出して、邪魔くさくてもパジャマに着替えよう。

 眠れないときについついやってしまう「寝酒」も、実はNG。寝付きはよくなるが、レム睡眠の質が悪くなる上、利尿作用で何度も目を覚ましてしまったりと「良い眠り」が得られないからだ。

 さらに、ウィークデーの睡眠不足を解消しようと週末に「寝だめ」するのも、「睡眠リズムが狂う」のでダメ。そもそも体内時計というのは、起床し光を浴びてから約16時間後に眠気がやってくるというメカニズム。日曜を昼まで寝てしまうと、寝不足の月曜日という最悪の幕開けになってしまうのだ。そのためにも、週末と平日の起床時間の差は「2時間以内」にするのが吉だ。

 もちろん、テレビやパソコン、スマホから発せられるブルーライトは、「人間の目で捉えられる光線のなかで、一番エネルギーが高い」ため、眠りを妨げる最大の敵! よく眠りたいなら寝る2時間前には画面を見るのをやめよう。それでも「テレビやネットで動画を見ていないと眠れない」という人は、画面を見ないで音声だけを“なんとなく聞く”ことでごまかすべし。目をきちんと休ませ、交感神経をオフにしてあげること。ネット中毒で不眠症のあなた、これが“よい睡眠”に近づくための第一歩ですよ。